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コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


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13/20

第13話『雪と筋肉と、芸術的かまくら』

冬本番、村に大雪が降った。

子どもたちは大はしゃぎ、大人たちは雪かきで悲鳴。

そのとき動いたのは――雪にも屈しない、筋肉の男・ガルド!

「ガルドさーん! 雪、すごいですよーっ!」


朝、ミーナの叫び声とともに扉を開けると――


外は一面、真っ白な銀世界だった。


屋根の上、畑の上、木々の枝。

すべてが雪に覆われ、子どもたちは歓声をあげながら転げ回っている。


「……積雪、四十八センチ」


「それ測ったんですか!? 肉眼で!?」


ミーナが呆れるのも無理はない。

しかし、それだけ雪が積もったということは――


「村の通路が、塞がれてる……!」


「よし。片づける」


ガルドは無言でシャベルを構えた。

が――そのシャベルは村人のものの三倍サイズ、材質は鉄、重さは薪束5つ分。


「そのシャベルで雪かくんですか!? もはや武器では!?」


だがその“武器”が功を奏したのか、

1時間後には村の道はすっかりきれいに。


「すごい……これが筋肉の除雪力……」


「……終わったら、かまくらを作る」


「え?」


「約束していた。昨日、子どもたちと」


そう――前日に子どもたちから「一緒にかまくら作って!」とせがまれていたのだ。


その結果――


村の中心に、異様にでかい雪の構造物が現れた。


「え、なにこれ……神殿?」


「かまくら、です」


「いや嘘でしょ!? 支柱あるし天井高いし! ろうそく灯すスペースまである!?」


「内部は三重構造。風も冷気も通さない」


「もはや避難所ーー!!」


子どもたちは大喜び。

中でお弁当を食べたり、寝袋を広げたり、秘密基地状態で盛り上がっていた。


「ねえガルドさん、このかまくら、来年も作って!」


「……雪が降れば、必ず」


「やったーー!!」


その笑顔に、ガルドは静かに微笑んだ。

(気づかれない程度に)

今回の敵は“雪”――でも、筋肉には通用しませんでした。

ガルドの作ったかまくらは村の新名所に。

むしろ“雪が降ると期待される男”になってしまったようです。


次回は、“風邪ひきミーナと、おかゆ大作戦”!

ガルド、看病でまさかの大苦戦!?お楽しみに!

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