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夏 ねぶた祭り
「あれれれれ、こっちでいいんだよな?」
「あれれれれ、こっちだよね? 旅館の道?」
砂浜から、海の上を歩いて旅館を目指すもいくら歩いて行っても旅館の姿すらない。
「ひょっとして……流されたか?」
「えー、海の上にあったから流されちゃった?」
代わりに、旅館のあったはずのところに、小さな御神輿がポツンとある。
「さあ、さあ、その御輿を担いでいけ」
「……たーいー、何か言ったか?」
「え? いんや、なーんもいっとらん。あ、大地。あの御神輿を担いでみようよ」
海の上にある御神輿は、キンキラリンと光り輝き、おおよそ普通の御神輿とは、違うような、今まで見たこともない御神輿だった。
「その御神輿は一言でいうとだなあ、神様に一時的にお移りいただき、目的地まで巡っていただくための乗り物なんじゃよ」
「ふーん。そうなんだな。わかったよ鯛」
「えっ? えっ? えっ?」
俺はよっこらっしょっと、小さな御神輿を担ごうとする。
そしたら、鯛も御神輿を担ごうとする。
ちょうど、御神輿は俺と鯛二人で軽々と担いでいけるようだった。




