公転周期の半分で
僕はいつも、何かに怯えて生きてきた。
想像力豊かだとか、心配性だとか、たくさん言葉をもらったけど、僕を納得させるものはなかった。
ある時、テレビのニュースを見て、僕は気づいた。
がれきの下敷きになって亡くなった人たち。泣き叫ぶ子供。血だらけで搬送される兵士。
僕は、きっと、目にした人たちの不幸を自分のことのように感じてしまうんだ。
自分が同じ目に遭ったら、って。
すごく苦しいだろうな、怖いだろうな、痛いだろうな、って。
だから僕はずっと、怯えてきた。
だから怖いニュースを見ないようにした。
怯えることは少なくなったけど、僕の中に何かしこりのようなものが残った。
14年前、ある人に出会った。
多くの人の苦しみや喜びに寄り添ってくれる、すてきなアーティストだった。
僕も、その人みたいになりたい、って思った。
誰かがつらい時、泣いている時、側に寄り添えるような存在になりたい。
そう思ったら、いつも何かに怯えている僕は、少しだけ強くなったような気がした。
「世界宇宙飛行の日」の今日、生まれたあの人は。
宇宙のように先の見えない未来で、自分と同じ、人の心に寄り添える誰かを、今日もたくさん生み出しているのかな。