六話 到達
『アイテムボックス』から、食料箱を取り出し、中の干し肉とボヌの実を取り出す。
「ボヌの実……『鑑定』してみるか。『鑑定』」
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名前:ボヌの実
ボヌの木に生えた木の実。
食用として利用可能。
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お、説明が増えてる。食べられるかどうかは嬉しい。かじってみた。うん、上手い、感触はリンゴより少し柔らかくて、果汁が多いい。味は前世では食べたことない味だ。あえて言うなら甘い。ふむ、干し肉はパサパサしてるからとっても合うな。まあ、人の好みの次第だけどな。
「最後にステータスを見て出発しようかな」
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名前:全 鳴海 年齢:17
種族:人間、神の使徒(隠蔽)
職業:能力者 Lv.1
HP:100/100
MP68/200
状態:通常
体力:15
筋力:20
防御力:15
速力:15
器用さ:25
魔法防御力:20
魔力:100
幸運値:50
スキル:
アクティブスキル…
パッシブスキル…『鑑定Lv.2』『隠蔽Lv.1→Lv.2』『気配感知Lv.1』
ユニークスキル…『アイテムボックスLv.1』
アルティメットスキル…『全能操Lv.1(隠蔽)』
称号:『女神の加護を受けし者(隠蔽)』『究極のスキルを手にし者(隠蔽)』『転生者(隠蔽)』『勇者(仮)(隠蔽)』
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ん?『隠蔽』のレベルが上がってる。もしかして、称号とかの隠蔽俺に経験値来てるのかな?ありがたい。
「よし、出発っと」
休憩を終え、歩き出した。
2時間後…
「ふう、なかなか疲れた。転生特典の頑丈な体のおかげで体はそこまで疲れてないが、同じ風景が永遠と続くのは精神的に疲れてきた。だけど、もう少しで街に着くと知識が言ってるから頑張るか…」
それから10分後、森が開けてきてだいぶ人が入ったような痕跡が多く見えてきた。
「もうそろだな」
期待をふくらませつつ少し早歩きで進む。
「おー、多分街だー!」
少し離れているが、確実に人工物の大きな建物があった。多分なのは、見えるのが高い防壁らしきものだからだ。
門の近くまで行くと門番が話しかけてきた。
「そこの君、ちょっといいかな?」
「はい。えっと、門番さんですか?」
わかりきったことだが一応聞いてみた。
「ああ、見慣れない顔だから話しかけた。自身の身分を証明できるものあるか?ないなら銀貨1枚だぞ」
「すいません。田舎から来たので持ってないんですよ…」
「ふむ、まあいいだろう。こっちに来てくれ」
特に逆らう理由もないので、素直に着いて行く。すると、水晶のような物が置かれた部屋に着いた。
「この上に手を置いてくれ」
「わかりました」
言われた通りに水晶のようなものに手を置いた。すると、水晶から青い光が2度点滅した。
「ふむ、よし、もういいぞ、」
「あ、はい、これって犯罪履歴とか調べたりするやつですか?」
「ああ、犯罪を犯すと称号に犯罪履歴が乗るからな、それがあるとこの水晶が示してくれるって訳だ。」
「なるほど」
これはいいことを聞いた。まあ、異世界テンプレって感じだな。
「さて、悪いが規則なんでな、銀貨1枚払えるか?」
「はい、これを。」
ポケットから出したかのように『アイテムボックス』から銀貨をだす。
「ふむ、確かに受け取った。一応聞いておく、何のためにこの街にきた?」
「そうですね、現段階の目的は、この街を拠点にしつつ、お金を稼いで生活することですかね」
「ふむ、なるほど……よし、入ってもいいぞ。金を稼ぐなら冒険者になるといい。命の危険は伴うし、最初は報酬も少ないが、才能が有ればすぐにいい報酬がもらえるようになるだろう。冒険者ギルドで登録できて冒険者になればおらえる冒険者カードは身分証明書にもなる。冒険者になる気はなくても、身分証明書として作るのもいいぞ。あと、他にもギルドがあるが、そこは冒険者ギルドで説明してくれると思うから聞いてみろ。行き方は、門を入ってまっすぐいったあと、教会があるからその次の左への道に行け。」
「はい、ありがとうございます」
「ああ、ようこそ『フルベニカ街』へ。」
親切な人だったな。道まで教えてくれるとは。まあ、俺みたいな人に慣れてるだけかもしれないけどな。それにこの街は『フルベニカ街』って言うのか。
そんなことを考えながら、道を進んでいく。
「えーと、まずはまっすぐ行って教会までいくか」
それにしても、女神様太っ腹だなぁ。10万円分もくれるとは。一応冒険者として稼いでいく予定だが、最初のうちは全然稼げないだろうからありがたい。
「お、あれが教会だな。」
前世でテレビやネットではまだしも本物は見たこと無かったが、アニメなどで見たことある教会があんな感じだった。
この世界には主にふたつの宗教がある。詳しくいえばもっとあるが、それは置いておこう。1つ目が人族が主に信仰している『四精霊教』、二つ目は魔族が信仰している『邪神教』だ。今は説明を省くが、とにかく二つ大きな宗教あるということだ。
「おっと、ここで左だな」
曲道を曲がり、まっすぐ進む。すると、大剣を背負った人や大きな杖を持った人、神官っぽい人が建物に入っていくのが見えた。
「お、あれだな」
小走りでその建物に近寄り、ドアの近くの看板を読んだ。そこには『冒険者ギルド』と、書かれてあった。
「さて、行くか!」
鳴海は冒険者ギルドに入った。