五話 便利
目の前に広がるステータスのようなものに書かれた文字を読んでみる。
「なになに?【『アイテムボックス』とステータスを連動させますか?はい/いいえ】?」
どういうことだろう?ステータスと『アイテムボックス』を連動?……もしかして、中身が表示されるとか?
もしかしたらという希望を込めて【はい】を押す。
「【連動に成功しました。解除などは設定からできます。】と、なるほど、ちょっと見てみようかな。」
ステータスを開き、最初は自分のステータスばかり気が行って見つけていなかった設定システムであろう歯車のボタンを見つけ、迷いなく押す。
「おお、色々変えれるみたいだ。」
表示されるステータスタス画面の大きさや表示場所、透明度や追加画面など、色々いじれるようだ。
「俺は、ゲームでもあんまりそういうのを意識しないし、いつもオリジナルでやってるか触ることはないかなぁ」
そして『ステータス連動』と、書かれてある場所を見つける。
「お、これだな。確かにここでオンオフが帰れるみたいだな。ん?これは……気配感知と連動?」
『気配感知』を使っときには出なかったが……と、思ったが、『気配感知』スキルはちょいレアスキル程度なので職業が『盗賊』とかの人なら大抵は持っているみたいだから、出ないのかもしれない。
「ん?それならこの設定は俺しかできない?可能性はあるな、いつか誰かに聞いてみよう。よし、連動っと」
連動したが、特に何か変化があった訳ではなかった。
「ん?あれ?何も変わんないなぁ。あ、スキル発動したらいいのか。『気配感知』!おお!」
スキルを発動すると、視界の端にミニマップのようなものが出てきて、感知した気配のする場所にマークがついている。
「おお、便利。だけど不便なところはミニマップっぽいだけでマップじゃないし、高いところと低いところが分からないことかな」
それはしょうがない、自分の感覚で見つけ出そう。
「さて、そろそろ目の前の《《穴》》を見ようかね」
目の前には空中にぽっかり穴が空いている。中を覗いても何も見えず、真っ暗だ。
「『アイテムボックス』を唱えた時に出たから、やっぱり今日アイテムボックスかなぁ?ええい、やればわかる!」
少し大きな声を出して自分勇気付けし、穴の中に手を突っ込む。そして、手紙に書いてあった、服をイメージする。すると何かが手にあたり掴み取れそうな感覚がしたので、取り出してみた。
「おおう、ザ・異世界旅人って感じの服だ」
異世界アニメのモブで居そうな服で、頑丈そうで、旅してきました感を出すためか少し使い古した感が出ている。
「よし、ステータスからボックス内をみてみよう」
ステータスを開き、『アイテムボックス』と書かれたメニューを開く。
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アイテムボックス欄【14%】
・旅人の服(予備)
・鉄の剣
・鉄の剣(予備)
・魔使の杖
・魔使の杖(予備)
・食料箱(干し肉×10、ボヌの実×10)
・皮の水筒
・財布(金貨×4、銀貨×50、銅貨×95、鉄貨×50)
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お、意外と色々入れてくれてる!ありがたやー。『旅人の服(予備)』しかないからちゃんと取り出せてるな。このパーセントゲージはなんだろう。もしかして、現在の収納量かな?確認してみよう。
穴の中に服を放り投げた。
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アイテムボックス欄【15%】
・旅人の服
・旅人の服(予備)
・鉄の剣
・鉄の剣(予備)
・魔使の杖
・魔使の杖(予備)
・食料箱(干し肉×10、ボヌの実×10)
・皮の水筒
・財布(金貨×4、銀貨×50、銅貨×95、鉄貨×50)
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お、増えた!つまり、100%が限界か。
「それにしても服だけだ1%か…考えないのとな…」
まあ、今考えても意味は無い。さっさと着替えて、街へ行こう。方向は頭に入ってる。
旅人の服に着替え、鉄の剣を腰につけ、街のもんにいるであろう門番に言う言い訳を考えながら進む。
「あ、そういえば、チートスキル試してないな。」
試しに魔力を手から放出するイメージで魔力を動かす。しかし……
「う〜ん、あまり上手くいかないなぁ…」
どこか間違っているのかもしれないと思い、試行錯誤した。
「う〜ん、出来ない……こういうのはイメージが大切なはず……操る……操る……何を?どうやって?」
スキルだって体の一部だ。なら体の器官で再現出来るはず。操る…操作する?何を?ハンドルや人形とか…何で?手だ!
「魔力でできた手が伸びるイメージ!…お、おおおおお!」
できた!やったぞ!まだまだ魔力操作も全然で魔力も少ないから死ぬほど遅いが確かに伸びてる!動いてる!
「だけど、自分の目で見えないのは難点だな……自分の魔力だから確かにそこにあるのはわかるんだが…」
疲れてきたので、魔力を分散させる。
「うわ……、さっきも疲れてたけど、解除したらもっとどっと疲れた……少し休憩するか……」
体内時計的に転生してからもう5時間ぐらいたってる……、休憩がてら食べ物食べるとしよう。