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⑨いらっしゃいませ、魔王さん。

お待たせして申し訳ありませんでした。

お楽しみいただければ幸いです。

せめてものお礼にと、魔王さんをその日の夕食に招待しようとしたのだが、魔物に襲われた私達は、精神的にも肉体的にも疲れているだろうからゆっくり休んだ方が良いと、遠慮されてしまった…。

それならば、明日の昼食をご一緒しましょう?とお誘いしたら、爽やかな笑顔で快諾して頂けました!

娘もまた会える事をもの凄く喜んでいた。


私達の護衛をして貰えるという事は、

何時も近くに居るという事だろうが、

魔王さんが何処に住む事になっているのか、その時の私は精神的に余裕が無く気に掛ける事が出来なかった。

後に、もの凄く申し訳ない事をしてしまったと後悔する事になるのだが、それに触れるのは、この次に…。


魔王さんの言っていた事は、やはり正しかったようで その日、極限まで力を出し切り全力疾走をした私はフラフラで、早めに布団に入って休むことにした。



翌日、約束の時間になり、魔王さんを待ちきれない娘がドアから何度も外に顔を出していると、玄関前に突然魔王さんが現れた。

その腕には、様々なフルーツが盛られたカゴがあり 中には小さな可愛い野草の花束まではいっていた。

跪いて 笑顔で目線を合わせ、娘の小さな手に花束を渡してくれる。

娘は大喜びで、走って私に見せに来た。

可愛い…マジ可愛い!


「今日は昼食に招いてくれて感謝する。

礼にこれを受け取ってくれ。」

美しい顔は、相変わらず甘い微笑みをたたえている。

「こんなにたくさんの果物、大変だったでしょう?

こちらがお礼をしなければならないのに、かえってご面倒をお掛けしてしまい申し訳ありません。ありがとうございます。」

お礼を言って頭を下げると、そんな事は無いと首を振り、笑顔でフルーツ集めの影の功労者達を見回した。

庭に用意されたテーブルセットの近くには、

可愛らしい精霊さん達がいて

チラチラと私達の方を見ては、視線をそらしていた。

挙動不審だよ?君達。

その瞳は、キラキラと輝き「ホメテ ホメテ~」と言っている。

成程、あの子達が手伝っていたのか…

通りでフルーツに統一性が無いわけだ。

森で採れたにしては、不自然な種類ばかりだと思った。

林檎に巨峰、パイナップル、キウイにバナナ、桃に梨など見事に季節感もバラバラだった。

私達に何かお土産を用意しようと、森に入って行った魔王さんの後に精霊さん達がついて行って、嬉々としてフルーツを集めたり または、創り出したという。

だから 自分は何もしていないのだと、魔王さんは苦笑していたが、見た事の無い小さなベリーのような赤い実がたくさんカゴに入っていたから、チラリと精霊さん達の方を見ると 皆んな全力で頷いている。


私が用意した昼食は、フカフカの食パンを使った様々な具のサンドウィッチと魔王さんと精霊さん達のお土産を使ったフルーツサンド、娘の好物である唐揚げにミネストローネ、ポテトサラダその他にも色々と用意した。


デザートにはゼリーやパウンドケーキを用意していたのだが、急きょフルーツタルトも追加しました。

タルト生地は、用意が無かったので 精霊さん達のオヤツにしようとしていたビスケットで代用しちゃいました。

(リ○ツとかマ○ーとかの、サクサクした食感のものが好きらしいです。)


とても穏やかで楽しい時間をすごす事が出来たし、魔王さんともたくさんお話しする事が出来た、有意義な1日でした。

お読みいただき、ありがとうございます。

遅筆な為、毎回長くお待たせしてしまい

申し訳ありません。

気長にお付き合い下さいませ。

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