⑦魔王様の愛刀☆いちゃあり
アルファポリスさんで書いていた⑦⑧話が消えていた後に書いたものです。
書きかけの話しが消えたショックから
今後、書こうと思っていた小話を先に投稿しました。
少し先の話しのつもりで書いていたものですが、このままでも話つながるかなぁと思いました。
って言うか、繋げちゃおうかなぁ…。
魔王様による、魔王様や神達の刀についてのお話です。
(ほんの少しだけ、創造神=作者の悪ふざけが出て来ます。)
いちゃいちゃも始めました。
さくら達親子と私が共に暮らし始めてから、数ヶ月が過ぎた頃 日課にしている愛刀のメンテナンスをいつもの様に庭の大樹の上でしていた時の事だ。
我らの住む家のすぐ横には樹齢数百年はあろうかと言う程の巨大な木が神の手によって生えてある。
私はこの木の上からの景色が好きで、よくこの場所に1人いるのだが、今日は何故かさくらも一緒に上に行きたいと請われ、現在私の隣に座り、私が刀の手入れをしているのをずっと見ている。
手入れと言っても魔法で研ぎや浄化、状態維持や強化魔法の付与をし直すだけなので至って単純な作業なのだが。
その時に何か話しをしてほしいと言われたので、私がこの星に降りる前の事を話し始めた。
我らの住む宇宙には、それぞれの人種を統括する神の他に、我らとこの宇宙そのものを創造したおおもとの神、つまりは 創造神がいると言う事。
さくら達の星に降りる前に一度だけ会う機会があったが、真っ白なローブ姿でフードを目深に被っていた為に、顔までは わからなかったと言う事。
声と袖から見えた細く小さな手から女性である事はうかがえたが…。
現在この宇宙には、竜人族の神 人族の神 エルフ族の神 獣人族の神がおり、それぞれの種族を導いていると言う事。
我ら魔族には神が存在しない為、その管理、統治は魔王である私が行なっていると言う事。
私や神達は、それぞれの種族を治める任に就いた時に創造神から力の証である「剣」を賜わる事になっており、私も前魔王の後任になった時にすべてが漆黒の「剣」を受け取ったのだと言う事。
私の手に乗せられると、それはまるで始めからそうであったかのように形を刀のように変えて、「黎剣 荒鷹」となった。
その刀身はまるで黒曜石のような輝きを放ち、抜群の切れ味と軽さを誇っている。
現在の様相としては 反りは あまりなく 、太刀と言うよりは 打刀と言った方が良いのかもしれないが、私の身長に合わせた長さになっている為、刀身が1メートル以上ある。
長さだけを見れば、野太刀と言った所
だろうが、この漆黒の刀は持つ者ごとにその形を変えるそうなので、此処で詳しく説明した所でさして意味は無いだろう。
流石は、創造神が鍛えた神刀・神剣と言った所か。
「黎剣 荒鷹」れいけん あらたか
それが私の持つ刀の名前だそうだ。
「黎」は「黎明」の「黎」で、そのひと文字 本来の意味は、黒 である。
「黎明」とは、明け方の薄暗い状態をあらわす言葉で、転じて新しい事柄の始まりをあらわす言葉として使われるという。
創造神のいらっしゃる世界では、言の葉は、大変に重要なものであるのだそうだ。
言霊と表現され、その文字と共に発音される音も大事であるとか。
この、「れいけんあらたか」と言う音も大切だと 刀を渡される際に創造神は、熱く語っていたのだと言う事も話した。
(この時 我ながらよく考えたものだと
創造神がにやけていた事には、真面目な魔王様は気付いていない。)
(真面目なのか ふざけているのか、よく分からないこの創造神の行動を生暖かい目で見ている焦げ茶色のローブ姿の神が1人、ため息をつきながら佇んでいた。)
(人族の神なので、バックボーンが創造神と一緒であるが故に彼女の不真面目さに1人涙する事もしばしばな、気苦労の絶えない「茶」であった。)
神達にも、創造神から神刀・神剣が授けられており、それぞれ
「神剣白羽鳥 」しんけんしらはどり
「神刀滅却 」しんとうめっきゃく
「聖刀芒影 」せいとうぼうえい
「光刀無形 」こうとうむけい
と言う名が付けられている。
私は、自分で帯刀しているが 神の中には
勇者と呼ばれる者に、自らの神刀・神剣を託し世界を導く力を与えると言う。
その際、ただの「神刀」や「神剣」・「聖剣」としているらしく、創造神が付けた名はあまり知られていないらしい。
特に、人族の神が新任に変わってからは、よりその傾向にあるらしく 私がさくら達の所に降りる時にも、「黎剣 荒鷹」の名は あまり出さない方が良いとの 助言を受けた。
やはり、創世の神である御方が造られた尊い物の名を軽々しく口にするなという事だろうか。
そう考えて、他の神達の神刀・神剣の話しはしなかった。
話し終えた私は、刀の手入れを終わらせると すぐ側にある柔らかな頬にそっと手を伸ばす。
指の背でさらりと頬を撫で親指で唇に触れると、小さな舌で指先をペロリと舐められた。
空いている方の腕で身体を引き寄せると膝に横向きに座らせて抱きしめ、顔を傾けて近づけていくと、柔らかく微笑みながら さくらは、目を閉じた。
触れるだけだった口付けが、徐々に深いものに変わっていく。
少しだけ唇を離すと空気を求めて開いた唇に舌を差し入れた。
小さな舌を必死に動かし、応えようとしているさくらが愛しいと思った。
歯列をなぞり、舌を擦り合わせると
どちらのものか分からない唾液がさくらの顎を伝う。
唇を解放してやると、頬を染め 蕩ける様な顔をしていた。
顎を伝う唾液を舐めとると、そのまま抱き上げ大樹から降り立った。
さくらを横抱きにしたまま家の扉を開けると自室へと向かう。
朝チュンにしようか、考え中…です。
お読みいただきありがとうございます。
ツタナイ文ですが、
お楽しみいただければ幸いです。