【ソーセージ mari & mari】 〜#8 みずたまり、自己流少子化対策⁈
【みずたまり、自己流少子化対策?】
「どお、かわいいでしょ、イエイ!」
いきなりの出来事に、みずたまりは淹れたてのカプチーノを吹いた。
「ななな、あんた、いったいそれどーしたの⁈」
なんと、ごみたまりが部屋に見ず知らずの赤ん坊を抱えて
帰ってきたのだ。
「あー、あたしのじゃないよ。
ちょっとワケあってこのコをメンドーみることになったのよ」
「わ、ワケありのコって、いったいどんなワケ。やっぱアブナイ話?
で、ででもダメよ、いくらワケありでも赤ちゃんには罪はないんだから」
「みずたちょっと落ちついてよ。ワケあるのはこのコじゃないから」
どうも、ごみたがらみだと何かおかしい話だと先走ってしまうクセが
みずたには出来たようだ。
「人から預かってくれって頼まれたの。
あなた確か子供好きって言ってたし、問題ないでしょ」
「言ってないでしょ! 勝手に決めるな。あたし子供は欲しくないの。
むしろ苦手な方なんだからーー」
「そうだっけ? ああ、こうしちゃいらんない」
あっけらかんと言いぱなしのまま、ごみたは部屋を
出て行ってしまった。
「ああちょっと、どこ行くのよ!」
もう、とため息ついたあと、みずたはソファに残された
赤ん坊を見つめた。
すやすや寝ている赤ん坊をそっと抱きかかえたみずたは
キョロキョロと用心深くあたりを伺った。
ごみたは戻ってこない。
上着を脱ぎ、シャツをまくし上げるとブラのホックを外し、
ゆっくりと赤ん坊を自分の胸元に近づけてみた。
赤ちゃんの弱々しい数本の指先が乳房にかすかに触れた。
みずたは自分でも顔が上気してるのがわかった。
これが悦び‥‥‥
胸の奥からこみ上げる特別な感情を抑えながら、
赤ちゃんに自分のおっぱいを吸わせーー
「わお、ただいま。さあてたっぷり飲ませるべ〜 」
哺乳瓶を掲げ得意げな顔してごみたが戻ってきたのだ。
もちろん瓶の温かさは人肌だ。
みずたは急いでシャツおろし胸元隠し、上着を羽織って言い放った。
「あああ、あたし子供なんて欲しくないからね。
全然、ににに苦手なんだから!」
「じゃあソファにでも降ろしたら?」