犬みたいなやつらの飼い主やってます2
長くなりました。
すみません!
「くそっ、しくじった。」
雨の中地面に横たわり当たり前のように煙草を口にする。
「ちっ湿って着かねぇや」
なんで、また俺は一人だ。誰かが一人でいいそばにいてくれればそれでよかったのにやっぱり世界は不公平だ…。
「おい、生きてっか?」
急に顔に当たる雨が止んだと思ったら俺の側にしゃがみこみ心配そうに声をかける日ノ宮先輩がいた。
実は密かに日ノ宮先輩に憧れて同じ学校を目指していた当時の俺はこの時目の前にいる日ノ宮先輩を信じられなかった。
だって憧れの人が俺に優しくしてくれてんだぞ!
「えっ、あっ、だっ大丈夫です!」
「そっか、けど俺の家近いから手当てくらいするけど」
そこまで歩けるか?と俺に手を差し出す日ノ宮先輩がもはや王子様にしか見えなかった俺は日ノ宮先輩の手に己の手を重ね夢見心地のままなんと日野先輩の自宅へと足を踏み入れたのだった。
「わりぃな散らかってて。」
そこ座っててくれと近くのソファを指差し日ノ宮先輩は救急箱を取りに行った。
「ヤバイ、日ノ宮先輩の匂いがする。」
ぼそりと口に出した言葉にハッとする。俺なんだか変態みたいだなと思いつつも心のどっかでは日ノ宮先輩相手ならそれもありだなと感じる自分がいてなんとしても日ノ宮先輩の側に居ようと本気で同じ学校へ行く決意を再度した。そんな、俺が悶々としてるなか日ノ宮先輩が救急箱を片手に戻ってきて俺の座るソファの隣に腰をおろした。
「こっち向け、とりあえず消毒すっから」
日ノ宮先輩に顎を捕まれそのままクイッと寄せられる。
次第に顔には熱のせいで赤くなっていくのを感じた。
「大丈夫か?怪我のせいで熱でも出ちまったか?」
そう言って日ノ宮先輩は顔を近づけおでこ同士をくっつけて熱を測った!
「!!ひっ日ノ宮先輩!なっ何を‼」
俺はとっさに日ノ宮先輩の名前を呼んでしまった。
「俺のこと知ってたのか?」
ひどくビックリしたような日ノ宮先輩は当たり前のように俺に聞いてくる。
ここで馬鹿正直に「貴方の写真と武勇伝を知って来年同じ学校を受験します!」と伝えたら俺はただのストーカーになっちまう。そこで俺は
「実は、表札見て名前はそうかなって」
当時の俺ナイス!と今でも思ってる。名前どころかスリーサイズや趣味までもこの当時からかなり調べあげて知っていた。だから咄嗟に言葉が出てきたのもなんか、日ノ宮先輩への愛としか言えない気がする、いやけっこうマジで。
「そっか、先輩って言ってるってことはまだ中学生なのか?」
中学生が煙草なんか吸ったらだめだろ?なんて日ノ宮先輩に注意されたら俺は日ノ宮先輩のために二度と煙草は吸わないとこの時誓うしかないと思い
「はい、すみません。二度と煙草は吸わないと誓うので日ノ宮先輩俺が頑張れるように応援してください!」
と日ノ宮先輩の手をつかみそう言い放った。日ノ宮先輩は苦笑いしながらも了承してくれ。俺はそのまま日ノ宮先輩に手当てをしてもらいのんと厚かましくも連絡先まで交換して貰ったのだった。
先輩はおそれ多くも夕飯をご馳走してくれて家の近くまで俺を送ってくれて俺は日ノ宮先輩にこれからも交流してくれと頼んだら先輩笑って
「そんなの当たり前だろ?お前も受験先俺の高校にしろよ。」
そしたらもっと交流できるぜ。
なんて、憧れの人に言われたら。
「はい!日ノ宮先輩!」「敦司」「えっ?」「日ノ宮敦司だよ。覚えてたら今度遊ぼうぜ!」
勿論受験が終わってからな!そう言って日ノ宮先輩は俺と別れたのだった。
それから、なんやかんやあり俺は日ノ宮先輩を敦司さんと呼ぶまでに色々あったりあの敦司さんに引っ付く男女と敦司さんの取り合いに至るまでが色々あったりするのだが。
まぁ、それはまた今度落ち着いて話そうと思う。
つまり何が言いたいかというと敦司さんとの思い出はやっぱり俺だけのものにしたいってことだ。
敦司サイド
なんか、倒れてるけどかつあげでもされたのかな?
意識はあるみたいだな。助けないのも寝覚めが悪いしそれに俺の家近いしなついでに手当てくらいしてやろう。
なんか、熱でもあんのか?顔赤いしめっちゃ挙動不審だし見た感じ俺より身長あるよな。高校生か?
「ひっ日ノ宮先輩!」ん?先輩?
ってことは中学生か?高校生でもヤバイけど
「中学生が煙草なんか吸ったらだめだろ?」
いや、成長期に体壊すようなことしても意味ないしな。
いいこと言ったわマジでwww
にしてもこいつどっかで見たことあんだよな…。
あっ!こいつ近くの族のやつじゃね?なんでそんなやつが俺のこと知ってんだ?
あぁ、目つけられてんのか…。俺これまで無難な人生を生きてきたと思ったのに…。
とりあえず機嫌損ねないようにしておこう…。
これが俺と後輩であるあいつとの出逢いだったりする。
すまん名前は正直ワンコロとしか覚えてない確か一 って名前で、呼んでるから下が一なのはわかるんだがな…。
今更ながらフルネーム知らないわ俺。すまん一!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感想あればよろしくお願いいたします。