ぱっぱらぱー(頭が)
人類が増えすぎた。地球が大変だ。 人間を間引こう
よくやるものだなぁ、全ては無駄なのに。
感嘆の溜息を吐きながらテレビの画面を見ると、ニュースで誰彼が今日も悪魔を倒してくれたお蔭で女性2人の命が助かったと放道されている。
窓の外を何気なく見てみると、どんよりと曇っていた。
「此の世に神はいるのか。これは多くの人間が必ずしも疑問に思うことであると考えられる。如何に無神論者であれ、一度でもふと疑問に思うことであろう。
では、何故疑問に思うのかということだが私はこう仮説を立てた。
人間は脆く、汚い。
原因が分かりきっているのにも関わらず何か己に不都合なことがあるとそれは、人間には認知できない高次元の存在の意思であると思い込んで、所謂責任逃れをしているのだと。
そして、それは偶然ではなく神の御心の悪戯のままにあると信じ込むんだ。
そんなことある訳がないだろう?
この地球上だけでなくこの何億何万何千とある惑星を監視されていらっしゃる神が‼︎御多忙であらせられていらっしゃるお方が、御前達如きの矮小な生物の運命を悪戯で決めているなどと考えるなど傲慢がすぎる。己が所為ではないと思いたいが為に神に責任を擦りつける。
なんて愚かで醜いと思わないか?全ては自らが引き起こした当然の帰結であるというのに、其れから目を背け神の仕業にせんとする人の心は。因果応報という言葉ですらあるのに。
それらは罪深いことだ。だが、神は御寛大な御心を持っていらっしゃる。だからこそ、機会を貴様等に賜ったのに、貴様等は理解ができずその与えられた機会でさえも棒に振ってしまっている。
だから、別に構わないだろう?
此処で貴様等には消えてもらおう。」
神の御慈悲をその低脳で理解せずに踏み躙る下等な生物など神の御慈悲を賜るまでもなく、私が消してくれよう。あのお方の手を煩わせる必要など欠片もない。
目の隅に映っている無機質なコンクリートの上に横たわっているイモムシのようなもの。
無様なものである。まるで、火で炙られているようだ。
手近にいるモノからまずは一人消した。すると、一人が喚き始め、独特な臭いがした。
「ッ⁈ンムゥ‼︎ムゥウムムムム⁈」
ムウムウ五月蝿い。貴様は牛にでもなったつもりか。それともあれか?
その鳴き声が可愛いと思っているのか?そうだな、あともう少し痩せていて尚且つ女性らしくもあり、男性らしさもある優美な身体つきで髪の毛は馬鹿丸出しの茶色ではなく神秘的な紺色で、顔の輪郭が繊細な曲線美を描いていて目が金にも緑にもなる不思議な色合いでもう少し大きくアーモンドアイで唇が薔薇色だったら可愛らしいかもしれないな。まぁ、貴様の様な筋肉ダルマには無理な話だな。
一部の物好きには需要があるかもしれないが私には可愛らしさの欠片も見出せないな。
そうして、二人目。
三人目は気絶している。運が良い。
四人目は絶望した顔で何処かを見ている。
最後の一人は此方を睨めつけて何か言いたそうだ。
仏心を出してやり口を塞いであった紐を斬ってやった。
ひゅうひゅうと風が吹く音が聞こえた。
「俺だちがぁ……だにを……しだっで…言ゔんだ……たすげた……げほっ……だげじゃ…ない…か…」
コレには耳がないのだろうか。それとも理解するだけの知能がないのだろうか。
「言っただろう。神は機会をお与えになさったと、貴様らはやり過ぎたのだ、増え過ぎたのだ。貴様らが悪魔と呼んでいるイキモノは救済措置であり装置だ。生物ですらない。良かっただろう?お優しいお方で。」
懇切丁寧に説明してやる。ただ、聞こえているかはわからないが。
「のろっで……やる…」
死の間際に力を振り絞り最後の言葉を絞りだしたようだ。目に光がなくなっていた。
(一体何を呪うのか。私を呪って死ぬのは別に良いが、彼の方を呪って死ぬのはいただけない。勿論支障はないだろう。然し、あの素晴らしい方を呪うのは駄目だ、冒涜だ。
ならば、呪えないように魂を消滅させて仕舞えばいいのだ。そうだ、そうしなければならない。但し簡単に消滅させてはいけない、彼の方を冒涜しようとしたのだから。
では、早速作業に取り掛からなくてはならない。しかし、喉が少しばかり渇いた気がする。紅茶がいいな。沢山沢山茶葉はあるのだから、その中から少しばかり失敬しても構わないだろう。どうせ、下等な生物には勿体ない。私が貰ってやろう。そうだ彼の方にも差し上げたらどうであろうか。きっとお喜びなさるだろう。楽しみだ。早く参らなくては。)
「あぁ、愛おしい‼︎」
鳥が鳴き、空が唄い始めた。
後悔はしてない.......ということにしておきます。豆腐より弱い心太メンタルなので石は投げないでください。