文化祭ではっちゃけましょう! 後
文芳「もぉーん! 酷いですわ、酷いですわ! わたくしたちの努力を!」
優弥「酷いのはどっちだよ!! 事実無根の痛々しい妄想を垂れ流すばかりか、学生が販売購入を禁止されてる年齢指定冊子にして堂々と売るとは!」
都村「本当だよ、黒崎くん。これは処罰ものだよ?」
神央郷「漫研は2ヶ月の活動禁止処分なのだな! 生徒会長権限で今すぐ執行なのだな!」
文芳「なんですって!? 聞き入れられませんわ! 明日は他校のサークルも呼んで即売会ですのよ!」
優弥「文化祭でオタク集会開くな!!」
…本当に全くなんて奴らだったのだろうか。
やたら女子しかいない漫研だとは思っていたが、よもや裏でこんな恐ろしい事をしていたとは…。
よよよ…と涙を流しながらよろけて部員に支えられる文芳。
そんな演技に優弥たちは騙されません。
文芳「…すみません…皆さん…わたくしの力が足りないばかりに…」
漫研部員A「いいのよ文芳ちゃん…! 私たちは、小野口くんと都村くんを生で…しかもこんな間近で見れただけで!」
漫研部員B「へへへ…やっぱり本物は違うぜ…、動いて喋って罵って…あの服の下を妄想するだけでもごちそうさまです!!」
漫研部員C「わたし、小野口先輩×都村先輩もイケるかもしれません、先輩!」
都村「…ヒ…!?」
漫研部員D「新天地キタァァァ!! 次の新刊はそれでいくわよ!」
優弥「反省の色がねぇぇぇ!!」
漫研部員E「チッ、神央郷会長邪魔くせぇ…! ショタ気取りやがって似非ショタが…!」
神央郷「ヒィィ…! なんだかすごい軽蔑の眼差しなのだな!」
都村「……いや…それはなんか仕方ない気がする…というか…!」
スケッチブックを手に、凄まじいスピードでなにかを描き上げていく奴等。
ニタニタしながら、まるで何かに取り憑かれているかのように止まらない手…。
不穏すぎるオーラを放ちながら、彼女たちは一歩…また一歩優弥たちに近付いてくる。
都村「お…小野口…、て…撤退だ! ここは危険すぎる!」
神央郷「吾が輩たちのレベルでは、攻略は無理なのだなー!」
優弥「く…仕方ない、かっ…!」
奴等の商品は確かに切り刻んだ。
実質、漫研は展示不可だろう。
漫研から撤退し、二階にまで逃げおおせてから都村は必死に息を整えて…。
都村「お…恐ろしい現実だ……世の中知らない方がいい事もあるんだな…」
神央郷「ううう…吾が輩たち無力なのだな…」
優弥「し…仕方ないさ…奴等の情報は少なすぎる……しかし知りたくもない…! 駆逐には時間がかかりそうだな…」
都村「…せめてR指定だけは外させなければ…我々学生身分の者がR指定本など発行しているとバレたら逮捕者が出るぞ…!」
優弥「そうだな…やはり検討していた風紀委員会の発足と設置を急がせるべきだ」
都村「予算がどうとか言ってる場合ではないな。…黒崎め、漫研の円滑な活動の為に風紀委員会の設置を反対していたのか…!」
優弥「…とにかく今は文化祭の真っ只中だ。漫研部室閉鎖を最優先に行おう。…立ち入り禁止のテープを持ってくる」
東雲学院生徒会活動記録……漫画アニメ研究部、一時閉鎖完了!
白亜「………で、中の生徒たちはいかがしましたの?」
都村「奴等は危険すぎる…何を言ってもペンが止まらなかった」
白亜「…そうですの…」
なので閉じ込めました。
白亜「それで、写真部の件はいかがでしたの?」
優弥「気持ち悪かった」
白亜「え?」
優弥「あ…いや…証拠らしいものはなかったんだが……」
露姫「ゆーやー!」
手を振って現れた露姫。
その後ろにはげっそりした梅松…。
優弥「露姫…写真部の事なにか分かったのか?」
露姫「もちのろんよ! 写真部が運動部の女子更衣室に入り込んで、女子部員の着替え盗撮して売りさばいてたらしいの! 常連の那音ファンから聞いたし、魔が差してうっかり買っちゃったって言う写真も貰ってきたわ!」
ほら、と露姫が優弥たち生徒会役員たちに突き出した写真には…………那音の着替えシーン。
多分、一年生の時の野球部時代のものっぽい。
優弥「………………………………」
都村「……なぜ柳瀬の着替え写真?」
露姫「女子の着替え写真を男のあんたたちに曝すわけないでしょ」神央郷「え! それでは事実確認にならないのだな!」
白亜「黙りなさいクソ犬擬き! 女子の着替え写真はわたしが確認します。眞田さん、見せていただけて?」
露姫「ええ」
白亜「………間違いなく盗撮ですわね…! 最低ですわ!」
露姫「処刑よ!」
白亜「ええ、私刑ですわ!」
都村「お…落ち着け眞田、鳥居! 写真部に事実確認をして…………って小野口!?」
ふらり、妖刀装備の小野口優弥が写真部の扉を切り裂いて……写真部部員たちを半殺し状態にした。
その悪鬼っぷりに、露姫が「那音の着替え写真くらいで大袈裟よねぇ」と呟いたが、梅松的には優弥のキレツボをきっちり抑えてがっつり押したマイハニーの方が恐ろしく思えたとか…そうでないとか…。
東雲学院生徒会活動記録……写真部、閉鎖及び撤去完了!
白亜「どうやら盗撮写真を売りさばいてカメラの購入資金にしていたらしいですわ」
都村「写真部は愛好会に降格。カメラは全て没収して、リサイクルショップに売って被害にあった女子たちへのお詫びの品を買うことにしよう…それで許されるとは思えないけど…」
神央郷「残念ながらガチで犯罪なので警察へ通報なのだな」
露姫「そんなの当たり前よ! 売りさばかれた写真はどうやって回収するの?」
都村「その手の事は黒崎にやらせるよ。…そういうの得意だから」
梅松「あー………優弥?」
優弥「…………」
場所は校舎裏の一角。
那音の着替え写真とそのネガを、ぼうぼうと燃える火の中へぶち込み殺気立って燃え切るのを睨み付けていた優弥へ梅松が心配そうに声をかける。
…本当に…女子の着替え写真は犯罪の証拠品なので燃やせないにしても…幼なじみの男子の着替え写真とそのネガをこうも徹底的に隠滅するとは…しかも怒りのままに。
神楽「……なにをしているんだ?」
露姫「あら神楽、あんたこそこんな場所でどうしたのよ」
神楽「ゴミ出しに来た。飲食店なのでゴミがたくさん出るが溜めておけないと……」
露姫「あ、やば…! クラスの手伝い忘れてた…!」
梅松「よく抜けてこれたな、お前が」
神楽「俺の燕尾服は朝方派手に破れたから…今修繕中だ」
※女子を返り討ちにした際、燕尾服を壊したらしい。
神楽「お前たちはなにをしているんだ? 焼き芋か?」
全「………………………」
その瞬間、なぜかドッと疲れを感じた生徒会役員たちとバカップル。
文化祭は…まだ初日…前夜祭だというのに………。
~お昼時~
那音「酷いよ優弥! 俺は優弥の燕尾服が見たかったのに!」
優弥「だから、生徒会の方が優先つってんだろうが!」
那音「いいもんいいもん、神楽の燕尾服見て癒されるから! 優弥の馬鹿! イケメン! 格好良すぎなんだよ! そんなだから俺は毎日優弥に惚れ直しちゃうんだ!」
優弥「…………」
那音「うわーん! 神楽ぁー! 口が勝手に優弥を褒めちゃうよー!」
神楽「そうか、仕方がないな」なでなで
露姫「……」パシャ
梅松「…なんで今写真撮ったんだ…?」
露姫「…思い出よ…」
一枚500円。




