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とある一日のはじまり

初めまして。初投稿です。

まだまだ下手くそな文章ですが、読んでいただけたらうれしいです。

出来れば感想や誤字の指摘などお願いします(^o^)


朝5時45分 遠くから大きな音が聞こえてくる。これを聞いてるとますます布団の奥に隠れたくなるっといった類の音だ。

だが、ここで踏みとどまっていても仕方がないということは分かっているので佑太はゆっくりと体を起こす。

「今日も学校か。」

誰もいない六畳間に佑太は独り言を響かせ、通学の準備に掛かるのだった。


自分専用の洗面台で顔を洗い、その後は手では一人分の朝食を手際よく作り、耳でニュースの内容をある程度把握する。

「今日の一番のニュースは隣町の通り魔逮捕・・だな。」

片手にトーストを持ちながらそう呟く。

佑太にとっては慣れた朝の一場面だった。親元を離れての一人暮らしの高校生活ももう二年と二か月が経過しようとしていた。

――続いてのニュースです。アジアの主要国との会合に参加していた・・・・

「そろそろ時間だな」

リモコンでテレビの電源を切り、鞄を持って出発。

「さぁ、今日も張り切っていきますか!」

山本佑太のいつもと変わらない日常の始まり。


自転車に乗ってゆるい下り坂を颯爽と下っていく。

六月に入りいよいよ暑くなってきたこの街でもさすがにまだ朝日にあたためられ切っていない空気はすずしくて気持ちがいい。

佑太はこの風が好きだった。だからこうして朝練のあるはずもない部に所属しながらもこうして朝早くから駅へと向うのだった。


佑太の通う私立桜田高校は県内でも中の下っといった位置づけの学校だが、佑太の所属する特進科はそんな学校の成績向上を狙って5年前に創設されたエリートクラスで、その成績は県内で三本指には入ると言われている。

昔から勉強が嫌いではなかった佑太は、中学時代に塾の講師から薦められていたこともあり、この特進科を選択したわけであったが、実際入学してみると佑太にとってはたいして難しい授業でもなかったし、勉強もそこそこに一年の頃は特進、普通科の枠を超えて友達と遊びほうけたのだった。おかげで今では行き帰りが同じ同級生ならほとんどの人とよき友人と言い合える間柄になっていた。

「おっす!佑太!」

よく通る声が半分ぐらいの席が埋まった車内に響く。

「よぉ剛史!今日は朝練か。」

「まぁな。しっかりアピールしてキャプテン狙わねーとなんねーからな!」

挨拶もほどほどに素早く佑太の横の席に陣取りながら剛史がそう返す。

佑太と剛史は中学からの仲だ。スポーツマンの風貌を呈する剛史と細身の祐太の組み合わせは若干の抵抗はあるものの朝の通勤列車に見慣れない風景というわけではなかった。

「特進はもう数Ⅱの問題集授業で終わってるのか?」

この問の真意はだいたい見当がつく。おおよそ・・・

「また解答だろ。」

不意をつかれた剛史は一瞬黙ってしまったが、またすぐに笑顔を浮かべる。

「今週末にノートの提出があるんだよ。だからさ、今回は俺を留年させないためにも助けてくれよー佑ちゃん。」

「げっ、その名前で呼ぶんじゃねーよ。」

全くいやなことを思い出させる奴だ。

「そんなに冷たくしないでくれよ。佑ちゃーん」

「わかったから。わかったからその名前で呼ぶんじゃねよ。」

「さっすがー。じゃあ今日取りに行くから今夜11時くらいに行くよ。」

「あぁ。了解した。」なかば溜息をつきながら生返事を返す。こんな気楽な奴が新聞で騒がれる天才遊撃手なのだから世の中とはわからないものだ。

「今日も蓮、ズル休みかな?」

「まぁそんなとこだろうな。」

蓮と言うのはもう一人の付き合いの長い友人だ。同性にも惚れてしまう者が少なくはないという程の美貌の持ち主で、日々自由奔放な毎日を送っている友人、いや悪友の一人である。

その美貌故に彼に関する噂はどれも風変わりなとてつもないものばかりだった。彼が繁華街でホストをやっていると言う噂は一時期、生徒内で最も広がった噂だった。原因は、彼が噂好きの女子の問いただしに対して、

「ホストってのも嫌いじゃないけどね。」と意味のわからない返答をしたことがそもそもの発端だといえるだろう。とりあえず告白された回数においては学校一であること疑いなしのイケメンだ。そんな事を言ってると蓮がいつもと違う駅から乗車してくる。

「おっはよー。」

相変わらずイケメン全開な声で車内の女性陣の目を一瞬自分の方に向けさせる。

「おはよ。」

「おっす!流石に3日連続ズル休みかと思ったぜ。」

確かに風邪を引いていたとは思えない顔色の良さだ。

「ゴメンね。この前知り合った社長さんがどうしても旅行行きたいって言うからさ。箱根で二泊もしてきちゃったよ。」

今度のは社長さんか。

「ちなみにその社長さんっていうのは…」

「ん?女だけど。」

あー、やっぱり。

蓮はその美貌故によくモテるというのは高校生としてまだ許容される範囲なのだが、わざとなのかそれとも本能なのかどうも年上と交際することが多い。特に三十路付近がストライクゾーンだ。と言っていたのを佑太は思い出す。

「それでさー社長がお礼にってこんなにくれたんだけど、今夜ぱーっと遊びに行かない?」

そう言って財布の中身を覗かせる。なんと、諭吉さんが数十枚だと!?

「俺は部活の後で佑太ん家で数学のノート写すからパスする。」

「俺も立場上、さ。やっぱお前の出入りするような店には行けねーよ。」

蓮は一瞬残念がりながらも、すぐに満面の笑みを浮かべる。

「じゃあ、僕も佑太ん家行くよ。久しぶりに大家さんにも挨拶しないとね!」

まさか、俺の住むアパートの大家さん(37)までも手玉にとるつもりなのだろうか、こいつは。

そんな会話をいている内に最寄り駅に着く。

「じゃあ学校終わったら各自佑太ん家に集合ってことで。」

「俺、新作のゲーム持って行くぜ。」

「じゃあ、お菓子関連は僕に任せて。今だったらコンビニですごい買い物できちゃいそうだしね。」

確かに。

「じゃあ俺は部屋提供するってことで。」

駅を出て自転車置き場へと向かう。早朝のロータリーはまだ人もまばらで、ビルの隙間から朝日が顔を覗かせている。

見上げるとそこには澄んだ青い空が広がっていて、佑太は今日は何か良いことが起こる気がした。




時を同じくして、とある少女が自室でけたたましい音で目を覚ます。

「なんだよ…って、もうこんな時間じゃん。ヤベっ、遅刻だー。」


そんなことなど、全く知らない佑太は学校へ向かう坂道を前に、1日の決意と共に自転車をこぎ出すのだった。

「さぁー!今日も頑張っていきますか。」


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