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今際の際で何を思う?
あくまで妄想の範疇です。人によるとしか言えませんし
アルバムを見返すと、その時点の記憶が舞い戻る。しかし、それはあくまで過去の一瞬を切り取った“点”のようなものであり、その瞬間から今この時までの連続した道のりは、意識の表層ではぼんやりと曖昧になっている。
数字に表される“時間”は確かに流れ続けているにもかかわらず、私たちの記憶に鮮明に残っているのは、断片的な過去の情景に過ぎない。だからこそ、「時が過ぎるのはあっという間なのだ」と、人は思う。そして、なんとも言えない虚無感に襲われるのだ。
死の間際にも、同じことが起こるのではないか――ふと、そう思った。もちろん、それは緩やかに死へ向かう場合の話だが、もしそうなら、それはきっと、計り知れない程に辛いことなのではないだろうか。
オチなんてありません