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今の生活に不満はないのに タイムリープしろと君は言う  作者: KIZOOS
第二章 タイムリープ初日【マサト15歳・西暦199X年4月某日】
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25 佐倉先生 校内、第一関門

(おお、佐倉さくら先生! 懐かしい。そして、お若い!)

 マサトのいる、三年B組の担任である。男性にしては長めの髪を、真ん中で分けている。小柄で、太めの体型。

 白いポロシャツに、ゆったりした黒いズボン。

 年齢は、高くても三十五歳くらいだろう。「一回目」の当時はおじさんに見えていたけれど、今は若造に見える。


(教師って、今見ると、服装は結構いい加減だったんだなー)

 などとマサトが思った時、教師の佐倉はもう一度、

「遅いよ。どうしたんだよ、鈴坂すずさか!」

 声を張り上げてくる。周りの生徒が、下駄箱で靴を履き替えながら振り返る。

 「鈴坂」は、マサトの名字である。


「?――」

 状況をつかめず、マサトが言葉に詰まると、佐倉は、

「しっかりしろよ。朝の放送、お前、担当だろ。今日、木曜日だぞ!」

 苦笑しているが、割とはっきり、機嫌を損ねている様子だ。

「あっ!」

 そういえば。

 佐倉先生は、担任であると同時に、部活動「放送部」の顧問でもあった。マサトも部員だ。

(だんだん思い出してきたぞ)

 中学では、授業の前に掃除の時間がある。その際、校内放送で音楽を流すのだ。担当は放送部員。交代で行う。


「すっ、済みません! すぐ、三年B組の教室にカバン置いて来ます。で、放送室に行きます」

 マサトは謝罪する。

 わざわざ「三年B組の……」と長い説明を付け加えたのは、マサトの中では三十年ぶりであり、やる手順を忘れているからだ。もし間違っていれば、佐倉が訂正してくるはずである。

 だが、佐倉は、

「おお」

 と、うなずいたのみだった。この順序で問題ないようだ。

 続けて、

「さっき、高屋たかやに代理で放送室に行ってもらったから。だから、焦らなくていいぞ。でも、なるべく急いで行けよ」

「はい! ありがとうございます」

 マサトが頭を下げると、佐倉は立ち去る。

 高屋というのは、同学年の放送部員。隣のC組の男子だ。


 マサトはスニーカーを脱ぎ、校舎内へ上がる。

「むっ」

 眼前に、そびえるようにズラッと並ぶ、三年B組の下駄箱。

 不意にそれが、壁かパズルのように思えた。

(やれやれ。マサト君タイムリープ学校編、第一関門ってか)

 内心で笑う。さあて、自分の下駄箱はどこだろうか。

【続く】


部活動は全員強制、でも、きつい運動部は避けたい。

中学時代、そんな悩める男子新入生の(私もそうでした・笑)駆け込み寺として、以下が二大候補でありました。


・卓球部

(陸上やバスケ、柔道に比べれば楽そうだから)


・放送部

(文化系で唯一、男子部員たちがいたから。他、美術や吹奏楽は全員女子)

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