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今の生活に不満はないのに タイムリープしろと君は言う  作者: KIZOOS
第一章 タイムリープ YES or NO【マサト45歳・西暦202X年】
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2 「夢の続き」とやらも間に合ってますッ!

 さすがにが悪いとさとったか、小さな女性は、話の切り口を変えてきた。

「……じゃあ、夢の方はどうですか? マサトさんは、ずっとシンガーソングライターになりたかったはずですよね。十五歳に戻って、再び夢を追うんです!」


 しかし、こちらも即答であった。

「お断りします。今はインターネット、動画サイトも充実してて、サラリーマンをやりながらでも、歌の発表は簡単にできます。最近になって、随分、自作の歌を投稿したけれど、まるで反応はなかったんです。僕に才能がないことは明白ですよ」

「そんなことな……」

 女性が口を挟もうとしたが、マサトは止まらない。

「……むしろ、学生時代、その気になって歌手とか目指さなくて本当によかった。万が一、何かの間違いで、二十歳はたちとかの頃、もしインディーズでデビューしてたりしたら、大変でしたよ。きっと、すぐ売れなくなって、落ちぶれてさ。そしたら、今さら会社勤めなんか出来ないだろうし。社会人としても同期で出遅れて、今頃、サラリーマンにすら、なれてなかったかもしれない」

 負け惜しみや偏見を含んでいる自覚はありつつ、本心ではあった。


 マサトの独演に、手のひらサイズの女性は絶句した。やっと一言、

「つまり……」

 すかさず、言葉をかぶせるマサト。

「つまり、もう答えは出てるんですよね。恋も夢も、その後の人生で、とっくに答え合わせは済んでいる。現時点の僕が、そのまま僕の実力なんですよ。むしろ、最後に手に入れた正社員の肩書きなんて、僕にはもったいない。出来過ぎですよね。僕の人生に、奇跡はとっくに起きたんですよ。だからね、妖精さん、もう帰ってくださいな。僕の人生に、魔法やファンタジーは必要ないんだ!」

【続く】


次回、妖精の反論前に、マサトの更なる駄目押し。

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