表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今の生活に不満はないのに タイムリープしろと君は言う  作者: KIZOOS
第二章 タイムリープ初日【マサト15歳・西暦199X年4月某日】
13/67

13 オハヨウ、オハヨウ、オハヨウ・・・

 いつもは「ピピッ、ピピッ」と鳴る目覚まし時計が、今日は違う音をたてた。

「オハヨウ、オハヨウ」。

 女の子の声をした、合成音。


「……っ!」

 マサトは、布団から腕を伸ばして、四回目の「オハ……」で止めた。

 豚のキャラクターの目覚まし時計。色はピンク。鼻がボタンとなっている。

 懐かしい。たしか、小学五年の時、祖母に買ってもらった。で、高校生まで使って、そのあと壊れて、捨てたのだ――。

「……ゲッ! 本当にタイムリープしやがった!」

 第一声。

 ガバッと跳ね起きる。朝、六時。


 いつもの、一人暮らしのアパートではない。かつての実家であった。戸建て。

(ひでえ散らかりようだなー)

 床は、服や教科書、紙で、ごちゃごちゃだ。

「そうだ……」

 とりあえず、紙を一枚拾い上げ、学習机に近づいて、二つの番号をメモする。

 暗記した、宝くじの番号であった。すぐ書いておかないと、忘れてしまう。


(これ、何の紙だ?)

 質の良くない、茶色い紙。わらばん紙という名前だったか。

 おもてには、「五月の献立表」。中学の給食の物であった。

「プッ」

 マサトは吹き出す。なんて平和なんだ。材料まで、日ごとに詳細に載っている。カレーライスには、いつも最後に書き添えられていた、はちみつ――。


 頭を上げる。壁には鏡。そこに映る、あどけない顔の自分。

(うおお! 僕、若い!)

 思わず口をあける。

(おお! 奥歯に、歯医者の治療の跡もないぜ!)

 この頃には、まだ虫歯がなかったのだ。


「さて……」

 後頭部の寝癖を、片手で押さえつつ、

(ええっと。まずは、一階で朝めしを食うんだっけ?)

 中学時代の生活習慣の、記憶をたどる。昨夜、「復習」して、少し思い出しておいてよかった。

 たしか、父親は既に朝早く出勤し、母親はもうすぐ夜勤から帰宅する、というのが、平日の基本スタイルだったはずだ。


「――」

 タイムリープという、とんでもない現象が起きたにもかかわらず、自分でも驚くほど、マサトは落ち着いていた。

 昨夜、散々、心の準備をしておいたためか。

(まとまった貯金のある、中年の、正社員の僕は、もう、いないのだ。たった今、僕は中学生に戻ったんだ。頭、切り替えろっ!)

【続く】


この、豚の目覚まし時計、商品名も覚えてるので、後でググってみよう(笑)。

当時、結構売れたんじゃないかなあ。1990年頃です。クラスメイトで、もう一人、家にあるよって人がいたくらいだから。豚なのに鉄アレイ持ってるの(笑)。


というわけで、無事に(?)、タイムリープしました。

今回の話を書き始めてから、自分の中学時代のことをどんどん思い出すようになりました。これも、創作の楽しさなのかもしれませんね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ