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今の生活に不満はないのに タイムリープしろと君は言う  作者: KIZOOS
第一章 タイムリープ YES or NO【マサト45歳・西暦202X年】
12/67

12 タイムリープしないとしても、するとしても

 と、ここまで思った時、

(――って、僕もマジになり過ぎだよな。果たして、本当にタイムリープするのかどうかも、まだ分からないのに。あした起きたら、十五歳に戻ってる? そんなこと、可能なのかー?)

 あの小さな女性が人間ではなく、超常現象的な存在であることは、認めざるを得ないとしても、だ。

 とはいえ、タイムリープの話だけはデタラメということも、十分にあり得る。

(考えてみりゃ、あの妖精だって、誰かがイタズラで、プロジェクターで立体映像を照射しただけかも。今の科学技術じゃ難しそうだけど、タイムリープよりは、まだしも信じられるよな……)


 寝転がって、つらつら考えているうち、つい、そのまま眠りに落ちそうになり、

「ぬおっとオ!」

 慌てて、マサトは飛び起きる。

(あした、タイムリープするのなら、部屋を片付けて、整理して、きれいにしておかなきゃな)

 と気づいたからである。

 しかし、それは勘違いであった。

「――あっ、違う違う! 別に、死ぬわけじゃないんだ。僕が消えたあと、この部屋に誰かが入ってくるわけじゃない。この部屋とか全部、あとかたもなく、無くなってしまうんだ。だから、ほったらかしでいいんだ」

 マサトは独り言をつぶやいた。


(いや、この部屋に限らないんだよな。全ての……)

 地球、人類、宇宙、全部だ。

 リープした先の、その時点以降の、全ての出来事が、一旦、なかったことにされてしまう。

 もう一度巻き戻されるだけなんだと分かってはいても、想像を絶する重大さ、恐れ多さだ。


 マサトが今まで見た漫画や映画では、主人公が作中で何回もタイムリープする話も多かった。

 真面目に考えたなら、その都度、宇宙全体が巻き戻され、リセットされていることになる。

(それも、すごい話だよなあ)

 プッと吹き出す。

「――バカバカしい。やっぱり、あるわけねえよ。タイムリープなんて、起こりっこねえ!」

 マサトは、大きめの声を発した。何だか、スッキリした。


(さて、明日も仕事だ。目覚まし時計をセットして、と)

 赤い時計を、枕元に置く。

(仮に、万が一、タイムリープが本当だったとしても、一応、最低限の対策、準備はしたんだし、もう十分だろ)

 反対に、

(もし、タイムリープが起こらなかったら、夜中まで準備しても無駄だし、寝不足で体調を崩したら、一番、アホらしいよな)

 そして、常識的に比較検討すれば、後者の方があり得るのだ。

 四十代の社会人としては、損得を考えれば、ここが妥当な線引きであると思われた。

「よっしゃ、もう寝よう。あした起きたら、今日の続きだったとしても、万が一、十五歳だったとしても」

 部屋の明かりを消して、今度は本当に就寝した。

 いろいろ考えるなどして、疲れ切っていたのだろう。

「――」

 マサトは、あっさりと眠りに落ちた。

【続く】


と、ここまで引っ張っておきながら、


 だが、結局タイムリープは起こらず、その後もマサトは、特に楽しくもつまらなくもない人生を送った。

 時折、あの妖精は何だったのだろうと思い出す。夢だったのかもしれないな、とも思う。しかし、人生とは、これくらいのスパイスがあった方が、張り合いもあるに違いない。


などという結末にしようかと迷いもしつつ、しかもそっちの方が斬新で面白いんじゃね? とも思いつつ。

仮にも、全国屈指の小説サイトで「タイムリープ」というタグを付けて連載を始めた以上、そりゃ誠実さに欠けるでしょうと。


誰もいない森で木が倒れた時、その音は存在したと言えるのか、みたいな話かもしれないけれど。

ネットに載せる以上、全世界へ公開してるんだ、という気概と責任は忘れたくないのです。

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