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ぽんぽこの道 ~歴史に自信をなくした者へ~  作者: ぷみわに
ぽんぽこの道 ~歴史に自信をなくした者へ~
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文通

本作に二、三回しかないちょっぴり恋愛の一回です。彼女は二回関わりますねぇ。どこかで伏線でも張っておこうかなと思います。今作の彼女のお相手はまぁ良いとして、次回のお相手が誰になるか、予想してみるのも楽しいですね!

「来たー!」


アニマルール大学に留学したたぬきの女の子から手紙が届きます。男の子は初めての手紙をドキドキしながら開封します。


『こんにちは!アニマルール大学に入学しました。最初の授業は里の必須要件についてでした。里として認められるために必要な要件は・治安維持能力 ・約束遵守能力 なんだって。治安維持能力には領土の治安を維持することはもちろん、他の里の居住民を保護することも入るんだって。約束遵守能力は約束を守る事だけど、守らないと周りの里から相手にされなくなって平等な約束も結べないんだって。里として認められないと、どんなに蹂躙されても殺されても文句言えないんだって。恐いねー。また手紙送ります!』


手紙を読み終えた男の子は呟きます。


「これって…手紙というか…レポート?」


甘酸っぱい所は全然ありません。ちょっと期待外れの男の子は返事を送ります。


『大学入学おめでとう!早速授業で忙しそうだね。そっちの日常生活はどうだい?』


と、授業内容以外の線に振ってみました。


「何かきっかけがつかめれば…。」


男の子は返事を毎日毎日待ちます。郵便配達など日に1-2回しかないのに、毎日毎日、何度も何度も郵便ポストを開けています。そして、待望の手紙が届きました。


『こんにちは!日常生活といっても宿舎と大学を往復するだけです。宿舎もほとんど空けています。そういえば今日の授業は‟無主の地„だったよ。無主地は特定の政府の統治が及んでいない地域の事で、その地域を占拠しても侵略とはならなくて、居住民の有無は問わないんだって。私の宿舎の部屋に誰かいても、無主の地だって言われたら文句言えないのかな?』

「…いや、ただの不法侵入と不法占拠だろ。」


手紙を読む男の子の手がワナワナと震えていきます。


「そういうことじゃなくて!」


男の子は諦めません。


『毎日、夜遅くまで勉強大変だね。体を壊さないでね。たぬこちゃんの事が心配で大事だから…』

「これで気付いてくれるかな。チョット踏み込み過ぎたかな…。」


顔が、体が火照ってきます。ドキドキしながら返事を待ちました。


 そして、待望の手紙が届きました。胸が高鳴ります。震える手で手紙を開けます。


『気を使ってくれてありがとう。でも大丈夫、体は平気だから。食べ物が珍しくて色々味見していたら、ちょっと太っちゃった!今日の講義は戦争についてだったよ…。』

「…可愛い…けど、そうじゃなくて!」


男の子の肩の力が抜けます。


「まぁ…いっか!」


笑いながら男の子は手紙を束ねていました。


戦争について

・世の中の状態には、戦争と平和の区別がある。

・宣戦布告によって戦争は発生する。

・戦時において、戦闘員と非戦闘員の区別がある。

・戦時において、味方と敵と中立の区別がある。

・中立とは味方にも敵にも敵である。中立には義務があり、中立里が戦争当事里に軍事物資や武器、戦争必需品を供給することは戦争行為である

男の子はたぬこちゃんにフラれた訳ではありません!でも次の機会もありません!なんてこった!今回のびっくりは、『中立とは味方にも敵にも敵である』ということ。だから中立なら攻められない、守る力はいらないというのは間違いなのです。最後に『宣戦布告によって戦争は発生する』は、ほぼ守られていません。みんなが守っていなければ守らなくても文句は言われない、言わせない。これがアニマルールです。

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