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ぽんぽこの道 ~歴史に自信をなくした者へ~  作者: ぷみわに
ぽんぽこの道 ~歴史に自信をなくした者へ~
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家出息子ベア(1)

ぽんぽこの道を始めます!とはいえ、たぬきはしばらく出てきません…たぬきの置かれた状況が複雑なので、まずは他の里から紹介していきます。クマの里、オオカミの里、ベアの里、それからたぬきの里に入りましょう。ではまずはクマの里から!

 ここはベアの里のとある貴族の館。たくさんの貴族の子が学問を積んでいました。その中にはどうしても落ちこぼれになる子供達がいました。彼等は授業中はつまらなさそうにその大きな体で縮こまってなりを潜めていますが、休み時間になると逆に大きな体を伸び伸びと使ってラグビーをする毎日でした。


 チリンチリン。メイドのベルの音が鳴り響きます。少しして四角眼鏡のいかにもなインテリ眼鏡の先生が入場です。教壇の段差に少しつまずいて…眼鏡は見えているのでしょうか?少し顔を赤らめて照れ隠しに、


「コホン、授業を始めます。昨日の続きは教科書12ページでアニマルールですね。」


落ちこぼれのラグビーチームはつまらなさそうに、肘をつきながら手に顎を乗せ、見ているのかいないのか、ページをパラパラとめくります。


「はぁ…早く終わればいいのに…全然分かんねーし。」


それが将来自分達を苦しめるとも知らずに…。


「里の構成要素は領土、領民、主権です。主権とは排他的に支配する能力とされます。要するに他の里の介入を排除して、独自の統治をしているという事ですね…。」


 夕方、ラグビーチームは息を切らせてみんなで休憩です。


「あぁ…ラグビーだけやってられたらいいのになぁ…。」


肩で息をしているみなが小さくうなずきます。


「それなら…俺達でラグビーの里を作るか!」


クルッと振り向いたみなは目を輝かせ、大きくうなずきます。


ここからの行動は極めて直線的です。それぞれの家から食料を持ち寄って、なんと船まで持ち出して出港です。それぞれの家族が駆け付けた時にはもう既に出港した後でした。


「この不良どもが‼」


港に集まった家族の怒号を尻目に、彼等は笑いながら家出を決行しました。船旅は困難を極めました。大嵐、濃霧、日照り…。そりゃ真面目に勉強していませんでしたから、うまく出来るハズもなかったのです。それでも体力だけはありましたから、げっそりとなりながらも偶然に、目的地に辿り着きました…というよりも漂着しました。ここで彼等は自分達の憧れのラグビーの里を作ろうと頑張ります。しかし生活基盤を整えることにほとんどの時間を費やします。水場を確保し、食料を探し回り、住処を建てる。ラグビーのグラウンドすら作れません。


「…あれ?ラグビー…やってなくね?」


彼等が何とか海の向こうに辿り着いたことを知った家族は、内心で安心したものの、


「あの不良ども!二度と帰ってくるな!」


と言いながら、裏では物資を送ります。いわゆる仕送りです。なんだかんだ言っても、やっぱり子供は可愛いのでしょうか?知らない振りは出来なかったようです。ラグビーチームは、


「二度と帰るか‼」


と仕送りを頬張りながら、夜な夜な騒いでいます。現地に住んでいたアライグマにとっては大変迷惑な奴等でした。しばらくしてラグビーチーム達の生活基盤が落ち着くと、家族は仕送りを徐々に減らし、遂には打ち切ります。ラグビーチームの中には逆に仕送りを頼まれる者さえ現れました。


「なんであいつらから逃げてきたのに仕送りしなきゃならんのだ‼」


と仕送りしてもらっていた事はすっかり忘れています。ラグビーチームはやっとラグビーが出来るようになってきたのに、仕送りなんてしていたらラグビーが出来ないと、家族に「NO」を突き付けます。怒ったのは家族です。さんざん仕送りをしたのに、ひどい物言いだとラグビーチームに対してお仕置きチームを仕向けます。プロの必殺仕事人です。


 このベアの家族の内輪もめをチャンスと見て加担したのが、ベアのライバル、フラミンゴです。フラミンゴの里はラグビーチームを支援しながらベアの里と小競り合いをします。ラグビーチームはお仕置きチームから逃げ回り、フラミンゴの里の援助で食い繫ぎます。フラミンゴの里はベアの里からお仕置きチームへの支援を妨害するので、援護を失ったお仕置きチームが音を上げることになりました。体力バカのラグビーチームの勝ちです。フラミンゴの里も積年の怨みを晴らして、胸がスッとします。


 ベアの里とフラミンゴの里は和解し、ラグビーチームの独立は認められました。ラグビーチームは一致スクラムを組んでクマの里を名乗りました。戦争中はバラバラに逃げ回っていましたが…。

クマの里は比較的新しい里です。しかしその成立は家出して辿り着いた先で実家とケンカしてフラミンゴに助けてもらった結果です。結果が全てと言えばそうですが…次回はそのクマの里にちょっとだけたぬきが関わります。

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