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女子高生が『車部中』になっていく話  作者: メダリスト爺
書無し車登録にチャレンジ編
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定点カメラと踏切事故

 まずは、七海ちゃんの運転を思い返すと共に、記録係でもある沙綾ちゃんが後ろの席から撮影していた画像も合わせてみて、改めて七海ちゃんの問題点をあぶり出そうとしたんだ。


 「う~ん、なんとなく普通に走れているような気がしますね……」


 真由ちゃんが言って


 「ですね。なんか、この画像だけ見ると、同乗者が騒いでいるだけみたいに見えちゃうんですよね……」


 志帆ちゃんも言った。

 無理もない、何故かと言えばかくいう私もこのシーンって、一体どのタイミングでの出来事だっただろうって思っちゃうほど、画像で見るとどこをどう走っている時の話かが見えてこないんだ。


 ただ、うろ覚えの記憶を呼び起こして見てみると分かるようにはなった。

 でもってみんなに伝えられるほどの語彙力は無いのが残念だった……。

 すると、若菜ちゃんが


 「中と外、同時に撮るっていうのはどうですか?」


 と何気なく言ったところ、カメラ小僧である沙綾ちゃんの闘争心に火がついたようで、沙綾ちゃんはビシッとこっちを指差すようなジェスチャーをすると


 「明日よ明日! しっかりと撮るから度肝抜かれないようにねっ!」


 と、何故か下級生にドヤ顔しながら言ったんだ。


◇◆◇◆◇


 翌日、また同じコースを七海ちゃんの運転で走りつつ、沙綾ちゃんが用意した定点カメラで外からのチェックもしてみたんだ。

 肝心の運転の方は相も変わらず……で、わざとやってるのかと思っちゃうような場面もあったんだ。

 ただ、本人は至って真面目で、だから始末に負えないとも言えるんだよね……。


 とにかく、まずはその『つもり』運転を徹底して自覚してやめていくようにしないと、一発試験はおろか、教習所に行ってもいつまで経っても卒業できないんじゃないかってレベルなんだよ。


 そして、今回もまた撮影した画像を上映してみたんだ。

 今回は、外からの画像もあったから、七海ちゃんの運転のまずさが一目瞭然で、見た全員から失笑が漏れてしまうほどのものだったんだ。


 「……ヒドイですね」

 「七海先輩が、こんな危険な運転をしてるなんて……幻滅です」

 「だからアマゾンに帰っちゃうんですね」


 と、七海ちゃんは後輩からさんざん言われっ放しの状態になっていた。

 これ以上、みんなにいじられっ放しになっている七海ちゃんを見るのは忍びないので、それを踏まえた運転がどの程度のものになっているのか、七海ちゃんにもう一度運転して貰う事にしたんだ。


 「ガスがあんまり入ってないっス!」


 クルーに乗って最初に七海ちゃんが発した言葉にメーターを見てみると、確かに燃料計は結構下の方を指していた。

 ……そろそろ、この車に関する結論を出さなきゃな……と思っていたんだけど、燃料の入手と、タンク検査の事を考えるとほぼ一択になりそうだね。

 今回の七海ちゃんの一件が終わったら、優子ちゃんから寄贈されたクルーから降ろしたRB20Eエンジンに換装するんだ。

 だから、今の私が率いているクルーチームは、名前はそのままに教習車のクルーをRB20Eエンジン仕様にするチームへと生まれ変わるんだよ。


 「取り敢えず、今日はこれでいけるんだから、余計な事は考えずに走らせて良いよ」


 と私が言うと沙綾ちゃんが


 「そうよ! バカナミのくせに一丁前にガスの心配なんてする前に他にする事、あるでしょ?」


 とイラっとしたような声で言った。


 正直、七海ちゃんに関しては車を走らせるという技術的な事に関しては何の問題も無いため特に心配していないんだけど、それを補って余りある程、確認動作や停止が出来ていないのが問題なんだ。

 しかも、本人がそれを自覚して改善しようっていう意思があればいいんだけど、七海ちゃんは何故か妙なプライドを持っていて、改善の前に言い訳や思い込みによる理論武装で押し切ろうとするから、尚の事始末に負えないんだよね……。


 「七海ちゃん! 今のが本当の踏切だったら死んでるからね!」

 「そんな事ないっス! 踏切には遮断機があるっス!」


 とまぁ、こんな感じなんだ。

 ちなみに、踏切の警報機や遮断機が故障した例は近年もあるんだよ。

 雷が落ちて遮断機と警報機が故障した、見通しの悪い踏切に入ったパルサーが電車に巻き込まれて乗ってた人が死亡したっていう事故は実際にあったんだよ。

 まぁ、余談だけど、この事故に関しては遺族に鉄道会社が賠償金を支払えって判決が確定したんだよ。

 大きな要因は遮断機と警報機の故障は予測できないっていう事なんだけど、その上で踏切の見通しが悪くて、たとえ窓開けの確認動作が行われていたと仮定しても、電車の接近は予測できなかったっていう理由なんだ。


 その事を憮然とする七海ちゃんに説明して諭しつつ、私は色々と七海ちゃんの免許取得について考えを巡らせていたんだ。

 このままだと、七海ちゃんの一発試験は101発試験になっても実を結ぶ事なく、陽菜ちゃんや七菜葉ちゃんにまで追い越されちゃうことになるんだよ……。

 せめて教習所に通ってくれればなぁ……と思って私にはひらめいた事があったんだ。


 

 お読み頂きありがとうございます。


 『続きが気になるっ!』『そんな踏切事故があったって本当なの?』など、少しでも『!』と思いましたら

 【評価、ブックマーク】頂けますと、大変嬉しく思います。

 よろしくお願いします。

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