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破離刃離☆勇者ハリガネⅡ~王国に仕える兵士として生きてきた戦士の俺、何故か王国の反逆者に...~  作者: 田宮 謙二


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持つべきものは仲間達


へへっ!!


また会ったな!


へへっ!! また面白い政策を考えたんだが聞いてくれるか?


今度、生活困窮者のための労働施設を建築しようと思うんだ。


もちろん寮の設備も備える予定さ。


一日でざっと一万ゴールドの日給制にするつもりさ~!


へへっ!!


ちなみに寮の家賃はかからないが、食費を含めた医療費とかの諸費用に関しては自己負担だ。


もちろん、支給額から控除するぜ~。


それと、無職や滞納者はパパッと逮捕できるようにしちゃって、刑務所とか強制労働施設でずっと労働してもらうぜ~。



~ポンズ王国、テンポ=ジャイアン国王~




「うぐぐ...」。


「ハリガネさん、大丈夫かいな~」。


「いや...。まだ目まいと吐き気が...」。


コブシの騒音ですっかりグロッキー状態になっているハリガネは、ボックスや兵士達の手を借りながら本部内を移動していた。


「いやぁ~! 驚いたで~? ホールに到着すると中央に立ってた大きな修道女以外みんな倒れとったからなぁ~! 何事かと思ったわぁ~! 」。


「ホント、死ぬかと思いましたよ...」。


「はははっ!! せっかく死刑を免れたのに、あそこで死んでしまったら元も子もないの~う!! 」。


「本当に笑い事じゃなかったんですからぁ...。はぁ~、旅立つ前に散々な目に遭った...」。


ハリガネがガックリとうなだれていた時、正面からミイラ隊長とカッパ副隊長が姿を現した。


「あはは~、勇者君大丈夫? 顔が真っ青になってるよ~? 」。


「あはは~」。


ハリガネの顔は青白くなっており、すっかり生気を失っていた。


「ちょっとっ!! 二人共酷いじゃないですかぁ~!! 」。


ハリガネはしかめっ面をしながら不満げな様子で二人にそう言った。


「あはは~。でも、せっかくコブシちゃんが勇者君のために賛美歌を披露するって言ってたしね~。だた、僕達は全身包帯グルグル巻きでまだ瀕死な状態だし、コブシちゃんの賛美歌を間近で聞くのは刺激が強すぎるんじゃないかと思ってね~」。


「そうそう、まだ身体に障るかもしれないしね~」。


「賛美歌ねぇ~、僕には断末魔の叫び声に聞こえましたけどね~」。


ハリガネが皮肉交じりにそう言葉を返すと、ボックスは両手を叩いて爆笑した。


「アハッハッハッハ~!! ホンマかっ!? そこまでっ!? ちょっと興味あるわぁ~!! 俺が行った時にはもう終わってたからな~!! 」。


「マジっすか...。じゃあ、今度軍の方で飲み会か何かあったらコブシを呼んでみてくださいよ...」。


「おうっ! 検討してみるわぁ~! ...さて、そんな話をしているうちに出入り口に到着したで~」。


ハリガネ達が魔法陣で移動した場所は、一階のエントランスホールであった。


そこには大勢の鎧を着用した兵士と、軍服を着た職員達がごった返していた。


「ここからは外に出て、用意された魔獣に乗ってバルサミコス市の検問所へ向かう事になる。君はその検問所から出国して、ポンズ王国とはサヨナラさんってなるなぁ~。一応、ここでも念のため確認しておくけどな~。バルサミコスの検問所からの出発って事でええんやな? 」。


「はい、あそこから出た方がパルメザンチーズ山脈方面に向かいやすいので...」。


「了解~、ほな外に出ましょか」。


「ほ~い」。


ボックスと兵士達はハリガネを囲んでエントランスホールの出入口へ歩き出した。


「おっ!! 来たぞぉ~!!」。


ハリガネ達の姿を見た兵士や職員達は、直立不動の姿勢で道を開けた。


「おぉ~! ポンズ軍総出で御見送りかいなぁ~! さすがやなぁ~! よっ! “恐戦士二世”っ! 」。


ボックスは楽しそうな様子で、ハリガネの脇腹を肘で小突きながらそう言った。


「えぇ~?? 何かオーバーな見送り方だなぁ~! 何か裏があるんじゃないかぁ? 出国する時に後ろから兵士にいきなり撃たれるんじゃないだろうな?? 」。


「それは無いわぁ~。国外追放の執行は最終的に王が承認したんやで~? しかも、魔獣討伐の条件付きや。せやから、君を暗殺するという事は討伐を妨害する事になるんや。すなわち、君を暗殺する事は魔術討伐の命令を下した王様に対する反逆行為になるから、君を殺す事はまず考えられへん。そんな事が起きたら暗殺した奴が逆に殺されるで~」。


「そうっすか...」。


「ほな、行こうか」。


「はい」。


ボックスに促されると、ハリガネは開けられた道を歩き始めた。


(しかし、何か嫌だなぁ...。だって、普通の見送りじゃないからな...。罪人の見送りだもんなぁ...。何か晒されている感じがしてあんまり気分良くないなぁ~)。


ハリガネは表情を曇らせながら小さく溜息をつき、うつむき気味に出入口へ向かって歩いていた時...。


「おぉーい!! “勇者”ぁ~!! そんな辛気臭い顔してんじゃねえ~!! 」。


静寂に包まれていたエントランスホールから、突然大声が聞こえてきた。


「...っ!?」。


ハリガネは驚いて辺りを見回すと、見送るために列を作っていた軍人の中に会議室で会った元同僚達の姿があった。


「おう!! これから“アルマンダイト”狩るんだろう~? 気合い入れんか~い!! 」。


「絶対に帰ってこいよぉ~!! 」。


「帰ってきたら酒場で打ち上げだぞぉ~!! 」。


「み、みんな...」。


呆気に取られていたハリガネだったが、気を引き締め直して元同僚達に不敵の笑みを浮かべた。


「おうっ!! お前等っ!! 期待して待ってろやぁ!! どデカいの狩ってくるからよぉ!! 」。


ハリガネがそう答えると、周囲にどよめきと拍手が沸き起こった。


「いいぞぉ~!! さすが“恐戦士二世”!! 」。


「頼むぜぇ~!! 死ぬんじゃねぇぞぉ~!! 」。


「一頭と言わず、二頭でも三頭捕ってこいやぁ~!! 」。


「やんややんや~!! 」。


「おいッッ!! そこッッ!! 静粛にせんかぁッッ!! 」。


「うるせぇぇぇぇえええええええええええええええええええええッッッ!!! クソ野郎がよぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!! 」。


「旅立つ仲間に声かけて何が悪いんだぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああッッッ!?!? テメェェェェエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!! 」。


「死ねぇぇぇぇええええええええええええええええッッッ!!! コラァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!! 」。


「消えろぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!! カスがぁぁぁぁああああああああああああああああああッッッ!!! 」。


「な、何だとぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!?!? 貴様等ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああッッッ!?!? 」。


(フフフ...。何だかんだでみんな変わってねぇな...。うしっ...!! 俺も負けてらんねぇなっ!! まだまだ俺の人生は終わらんよっ!! )。


ハリガネは軍人達の歓声と拍手を受けながら見送られ、熱い思いを胸に抱いたままボックス達と共に本部を出ていくのであった。







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