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破離刃離☆勇者ハリガネⅡ~王国に仕える兵士として生きてきた戦士の俺、何故か王国の反逆者に...~  作者: 田宮 謙二


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同期が出世していくと、何となくセンチメンタルな気持ちになるよね? ...ならない??


やぁ! みんな!


もう、前書きの番人どころか妖精になりつつあるよ~!


え?


『ファンタジー系のロールプレイングゲームはセーブデータとかゲームをセーブする機能があるんだけど、そういうのはあるのか? 』って~?


何だよそれ、そんなものなんかないよ。



~道具屋“オードリー”の従業員、ハリガネの友人ミドル=ヘップバーン~






“王国軍本部”と呼ばれているポンズ王国防総省は、ハリガネの軍法会議も行われた場所でもある。


その本部にある小規模の会議室でハリガネとボックス、そして同行している兵士達は待機していた。


「いやぁ~! ホント驚いたよぉ~! 」。


「ニュースで見た時は本当にビックリしたよぉ~! 」。


「そうかよぉ~! お前フリーターだったのかよぉ~! 」。


「もう、剣士は食えねぇからなぁ~! 傭兵は魔族のいる別大陸の方へ行かないと仕事ねぇもんなぁ~! 」


軍法会議を行った法廷のような緊迫した時とは打って変わり、室内は和やかなムードに包まれていた。


当時のハリガネと親交を持っていた本部の職員達が、別れの挨拶も兼ねて会いに来ていたのだ。


「そうかぁ~! 自分達は同期やったんか~! それでわざわざ顔出しに来たんやなぁ~! 」。


「そうなんっすよぉ~! いやぁ~! 出ていく前に会えて良かったぁ~! 」。


同席していたボックスの問いかけに職員が笑顔でそう答えた。


「本当に久しぶりだなぁ~! みんな歩兵だったのにさぁ~! そうかぁ~! 出世したんだなぁ~! 」。


ハリガネは当時の事を懐かしむように、職員達と嬉しそうに談笑をしていた。


「俺達世代で一緒に戦ってきた前線部隊の隊員達は、もう本部下にいるか墓の下にいるかのどっちかだろぉ~! 」。


「あ~あ! 軍抜けるんじゃなかったぁ~! クソ親父の下で生まれなけりゃあ、こんな目に遭う事も無かったのになぁ~! 神も何もありゃしねぇよぉ~! 」。


ハリガネは残念そうに溜息をついて天を仰いだ。


「はははっ! どちらにせよ、お前が軍を抜ける事は運命さだめだったんだよ~」。


「どういうこったよぉ~! それよぉ~! 」。


「そうそう、お前みたいな王国に留まらずに戦地飛び回ってた“バカサバイバー”が、本部で大人しくデスクワークしてるところなんか想像できないぜ~? 」。


「本部に入ったら逆にクーデター起こしそうだもんな~。今回のゴリラ隊長みたいに...って言っても、お前もノンスタンス鎮圧に参加してたんだよなぁ~! ハッハッハ~! 」。


「クーデターなんかしねぇよ...あっ! そういえば、ゴリラ隊長はどうなったんだ? 逮捕されたところまでは聞いてたんだけど...。てか、色々と準備してたからすっかり隊長の事忘れてたんだわ」。


ハリガネは職員にそう問いかけた。


「あ~、ゴリラ隊長は一昨日の軍法会議で判決が下ったよ~。二等兵に降格と禁錮三百年だってさ~」。


「あ~、終わったな...。隊長は遂に人生終了かぁ~」。


ハリガネはやれやれといった様子で小さく首を横に振った。


「まぁ、軍の指示を無視した事と、自身が独断で部隊を編成したって事を全面的に認めたみたいだよ。全責任は自分にある事を認めて、法廷でも謝罪の意を示したらしいから死刑は何とか免れたみたいだけどな」。


「それで、部隊に参加した人間達はどうなった? 」。


「ゴリラ隊長が強制的に参加させたという事で、不起訴処分になって釈放されたよ」。


「そうか...」。


「カメアリさん以外は」。


「え?? 」。


「カメアリさんは王立銀行の現金を強奪した罪で判決待ちだよ~」。


職員から話を聞いたハリガネはばつが悪い顔を見せた。


「はぁ~! あの人マジで銀行へ侵入したのか...」。


「でも、あの人ならやりかねなかったよなぁ~! 」。


「しかし、これで“勇者”ともお別れかぁ~! 寂しくなるなぁ~! 」。


「ふんっ!! “アルマンダイト”手土産に戻ってくるから期待してろや。何時になるかは分かんねーけど、反逆者の汚名返上して王国の英雄になって戻ってくるさ」。


ややしんみりとした雰囲気を醸し出す職員達に対してハリガネがそう気丈に振る舞うと、周囲も明るさをやや取り戻した。


「よっ! さすが“恐戦士二世”っ! 」。


「ハリボテ=ポップの息子だけあるなぁ~! 頼もしいねぇ~! 」。


「それは言わないでくれ...」。


ハリガネは職員達にそう言われると、げんなりとした表情を浮かべながら大きくうなだれた。


「はははっ! まぁ、俺達はお前がノンスタンスと共謀したとは思ってないからな~! 心配するな! 」。


「そうそう、メディアではお前をテロリストだとか非国民とか叩きまくってるけど、ノンスタンスを全滅させるために俺達と一緒に血と汗に塗れて戦い続けた戦友がそんな簡単に敵側に寝返るわけがねぇってのは分かってるからよぉ~! 」。


「そうそう、メディアもカスだし、民間も軍の放送局もクソだし。メディアが流してる軍法会議の内容もみんな信じていないし、それになんか...」。


「おいおいっ! その辺にしとけっ! 」。


一人の職員がそう言いかけた時、他の職員が肘で脇腹を小突いて言葉を阻んだ。


「あ、そうか...おっとっ! そろそろ時間かな? じゃあ俺達はこの辺で! 元気でなぁ~! 」。


「達者でなぁ~! 」。


「必ず帰ってこいよぉ~! 」。


「帰ったら飲みに行こうぜ~! 」。


職員達はハリガネに手を振りながら退室していった。


「お~う! 期待しててくれ~! 」。


ハリガネもそう言いながら職員達を見送った。


「いやぁ~、よかったなぁ~! 同期の人間が会いに来てくれて~! 」。


ボックスは職員達が閉めていった扉を眺めながらハリガネにそう声をかけた。


「そうっすね~、みんなとは除隊してから全然会ってなかったんですよね~。まさかこんな形で会うなんて思ってなかったしなぁ~! 」。


「相手側もそんな事言ってたなぁ~! 」。


「はぁ~! みんな出世したんだなぁ~! 一丁前に軍服なんて着ちゃってさぁ~! 」。


ハリガネはそう言った時、先程談笑していた職員達のある行動を思い出した。


(みんなは俺がノンスタンスと関りがない事を察している。しかし、何か口封じされてるっぽかったな...。本部内で何らかの圧力が生じているのか...? という事は、軍の中に俺を陥れようとしている人間がいるみたいだな...)。


ハリガネは神妙な面持ちで考えを巡らせていた。



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