お別れの日
フフフ...。
さぁ~て、今回は何を話そうかな~。
え?? いい加減お前の正体を教えろって??
...。
......。
.........。
それで、今回はポンズ王国の社会事情について少し話そうかな~!
ポンズ王国は階級社会なんだ。
上流階級は国家議員等の政治家,ポンズ教聖職者,貴族,他にも高級官僚や将官クラス以上の軍人や特別な功績を挙げた者が該当するね~。
中流階級は地方議員等の政治家,佐官以下で准士官以上の軍人,医師や魔術師等の特殊な技術を持つ専門技術者,実業家,ポンズ教従事者が該当されるね~。
下流階級は下士官以下の軍人,一般的労働者,一般平民等が該当されているよ~。
一応、代表的な業種を階級別に区分してみたよ~。
~軍の関係者? 自称、遊び人ジューン~
「出房ッッ!! 」。
ハリガネの国外追放が執行される当日の朝。
刑務所内で朝食を終えたばかりのハリガネは、お茶を啜っている最中であった。
「ハリガネ=ポップさぁ~ん!! 遂にお迎えが来たで~!! 」。
ボックスが四人の兵士を引き連れ、扉の前で部屋を覗き込んでいた。
「お迎えって...勘弁して下さいよ~。まるでこれから死刑になるみたいじゃないですか~」。
ハリガネは背伸びしながらゆっくりと椅子から立ち上がった。
「でも、この国からいなくなるのは事実やろ~? 」。
ボックスは扉を開けて部屋に入ってきた。
「まぁ、そうっすけど...。あ~あ、この国とも遂にお別れか~」。
「はい、両腕出してな~」。
「へ~い」。
ハリガネが両手を差し出すと、ボックスは魔力で生み出した白い光輪をハリガネの手首に巻き付けた。
「さぁ、出発や~!! 」。
「へ~い」。
「そんな気の抜けた声出すなやぁ~!! 緊張感無いな自分~!! 」。
「そんな事言われてもなぁ~。ところで、そのまま国の外に出るんでしたっけ? 」。
部屋から出たハリガネは、ボックス達と通路を歩きながらそう問いかけた。
「いや、この後は軍の本部へ向かう事になっとる。そこで国防長官が正式な執行命令書を読み上げるから、それに立ち会う事になっとるわけや。それで、追放された後の事とか色々と説明される事になっとる」。
「なるほどね~」。
「あとは、遺言書とか相続引継ぎの手続きかな...。あ、希望すれば教誨室でポンズ教の聖職者からの教誨や説教が受けれるで~」。
「う~ん、何か柄じゃないな~」。
「まぁ、聞いていったらええんちゃうか? どうせ、この国にいるのも今日で最後なんやし」。
「う~ん...」。
ハリガネは乗り気でない様子でボックス達と共に通路を歩いていると、壁に設置されている魔法陣の正面に立ち止まった。
「まだ、本部の方は準備が整っていないようやなぁ~」。
「あ~、そうっすか~」。
「そうそう、今日は君の父であるハリボテ=ポップ氏が国外追放されて十周年を迎えた日らしいで~。朝のニュースで報道されとったわ~」。
「えぇ~? マジっすか...」。
「まさか、十周年を迎えた後にその倅も国外追放になるなんてなぁ~! こんな偶然もあんねんなぁ~! 」。
「ホント人生って分からないもんっすよね~。つーか、何か縁起悪いというか...」。
ハリガネはうんざりとした様子で溜息をついた。
「はははっ!! せめて、今日が大安なら良かっただろうな~!! 」。
「大安でも全然喜べませんよ...」。
「はっはっは...おっとっ! 準備ができたみたいやぞ~! 」。
青白く光る魔法陣の輝きが一気に増し、その中からボックスと同じく鎧を着用した一人の兵士が姿を現した。
「準備が完了しましたッ!! 同行願いますッ!! 」。
「うぃ~す!! 了解~!! 」。
ボックスは兵士に敬礼を返しながらそう答えた。
「ハリガネさ~ん!! ほな、行きましょか~!! 」。
「ほ~い」。
ハリガネは間の抜けた返事をしながら、ボックス達と共に魔法陣の中へ入っていった。
「...」。
ハリガネ達がこの場から去ると、通路の壁に寄りかかっていたジューンが姿を現した。
「さぁ~て! これからまた忙しくなるなぁ~! 」。
ジューンは鼻歌を歌いながら通路の壁に魔法陣を手早く描き、その魔法陣の中へと早々に消えていった。




