表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破離刃離☆勇者ハリガネⅡ~王国に仕える兵士として生きてきた戦士の俺、何故か王国の反逆者に...~  作者: 田宮 謙二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/47

“アルマンダイト”の脅威


やぁ! みんな!


すっかり前書きの番人みたいになっているよ~!


え? 『ファンタジー系のロールプレイングゲームは宿屋とかがあるんだけど、そういうのはあるのか? 』って~?


ちょっとロールプレイングゲームの意味が分からないんだけど、要は旅人とか遠征してる人が泊まる施設があるのかっていうことを多分言いたいんだよね?


まぁ、普通にホテルだよね~。


王国もビジネスホテルとか王立の高級ホテルとか、“カップル同士で泊まって事を楽しむ”ホテルとか色々あるよ~。


地方の方になると民宿やってるところなんかもあるね~!


これは親父から聞いたことなんだけど、戦時中は都心じゃない国境付近の地方へ防衛に回った兵士なんかは、民宿じゃない一般庶民に身の回りの世話をしてもらいながら防衛活動をしてたっていう話があるね~。



~道具屋“オードリー”の従業員、ハリガネの友人ミドル=ヘップバーン~






「ポンズ王国軍が“アルマンダイト”を討伐するために何度も山脈へ出征した理由...。やはり、君のお父さんが原因なのかい? 」。


ジューンは不意に前髪を弄りながらそう問いかけると、ハリガネは怪訝な表情を浮かべた。


「何だよ? その件も知ってるのか? 」。


ハリガネがばつが悪い表情を浮かべながらそう問い返すと、ジューンは神妙な面持ちで小さく首を横に振った。


「い~んや、だいだい“軍隊内のトラブルにハリボテ=ポップあり”って感じだったから、そうなんじゃないかなぁ~って思って」。


「まぁ、そうだね~。ご名答で~す」。


ハリガネは苦笑交じりに頷きながらジューンにそう答えた。


「ははっ!! やっぱり? 」。


「ポンズ王国軍が“アルマンダイト”を討伐する根本的な原因は“奴”よ」。


「そうかぁ〜! まぁ、話の流れからしてそんな気はしてたよ〜! 」。


ジューンは頷きながらそう相槌を打った。


「諸国がパルメザンチーズ山脈を敬遠してた中、当時から力をつけてたソルト国がその均衡を崩したわけだ。実際、ソルト国軍の“アルマンダイト”討伐はポンズ王国でもニュースになったし、軍の中でもその話題で持ち切りだったよ。それで“奴”はそのニュースを聞いて悔しさからなのか嫉妬なのか、そこら辺はよく分からんけど基地で討伐計画を毎日のように練っていたのは覚えているな~」。


「それで、討伐計画を立ててる姿を見てどう思った? 」。


ジューンがそう問いかけると、ハリガネは呆れた表情を浮かべながら肩をすくめた。


「バカか、と」。


「ハハッ!! 」。


フンッと鼻を鳴らして答えるハリガネに二人は思わず吹き出した。


「他には? 」。


「マジでやる気かよってね。無謀にも程があるだろうよ...とも。まぁ...。結局、やるんだけどさぁ~」。


「最初はどうだった? 総員約二千人を率いて討伐へ向か合うんだろう? 」。


「ふわぁ~あ! 飯食ったら眠くなってきなぁ~」。


ジューンにそう問われたハリガネは呑気な様子で欠伸をし、ベッドに寝そべりながら話を続けた。


「最初の討伐作戦は割とみんな乗り気だったよ。やっぱり敵国のソルト共和国にそういった部分で先を越されてしまったから、敵国への競争心からか全体的に士気は高かったんだ」。


「ほうほう」。


「...でも、いざあの魔獣に遭遇したら状況は一変するわけよ。結局何もできなかったし、“奴”も自分達も含めて持っている力を過信し過ぎたせいで“アルマンダイト”になすすべなく潰されちゃったっていうね。軍も最初の討伐作戦で完全に心が折れていたわけだが、そんな中でも“奴”だけは諦めなかった」。


「戦士の魂に火がついちゃったかな? 」。


「知らね。ただ、そっからよ。“奴”が性懲りもなく何回もパルメザンチーズ山脈に出征するようになったのは」。


「それで、ハリガネ君も“アルマンダイト”討伐についていったわけだろ? 」。


「最初らへんはな。でも、最初の討伐作戦から歯が立たないわ、そこで部隊は混乱して機能しなくなるわでさすがの俺や他の隊員も気づくわけよ。この討伐作戦は今のポンズ王国軍の総力では到底達成できないってね。それでも、“奴”は脅迫まがいの方法で兵士を招集し続け、“アルマンダイト”討伐作戦を無理矢理実行していくわけよ」。


「脅迫まがいか~! だいたい想像つくわ~! 」。


ボックスは苦笑交じりに何度も頷いた。


「でも、隣国との争いが激化したりソルト国内危機が起こった事や、討伐作戦自体を王国軍本部が猛反対し続けていた事もあって“アルマンダイト”討伐の実行が次第に難しくなっていった。最終的には、俺も他の隊員も国防や敵国侵攻のために作戦から離脱していったしな。俺達が離脱した後の討伐作戦では兵士数が五十人も満たなかった時もあったらしいが、“奴”はそれでも“アルマンダイト”討伐を諦めなかった」。


「確か、七回目の討伐作戦やったっけ? ハリボテ氏が“アルマンダイト”に爪で片目潰されたのは。あれはニュースになったな~」。


ボックスが腕組みをして地図を眺めながら問いかけた。


「そうそう、しかも反対した本部の指示を無視して少人数の兵士と討伐に向かった時だね。結果的に兵士も片目もやられてしまい、“奴”は尻尾巻いて命からがら逃げたっていうね。その後には逮捕されて後に軍法会議にかけられ、怒涛のペナルティーを食らって軍人としても転落していくという。“アルマンダイト”討伐作戦が“奴”の人生を変えるきっかけになったのかもな...悪い意味で」。


「そうかぁ~!! 君の父さんが眼帯を着けるようになったのは、“アルマンダイト”と戦って負傷したからか~!! 」。


「そう」。


「ちなみに、ハリガネ君は父さんがそういう目に遭った時はどう思った? 」。


「ざまーみろって思った」。


ハリガネが躊躇せずジューンにそう答えると、再び二人は吹き出した。


「ハハッッ!! やっぱり、それは今までの事もあったから? 」。


「まぁ、それもあるが天罰が下ったんだよ。今まで散々軍でやりたい放題やってきたんだから。あの時はさすがに軍も“奴”の事を見限ってたからな~。俺自身も“奴”が逮捕された後の面会なんて一回も行ってないしな~。...てか、会いたくないもん」。


「ところで討伐作戦が“あの事件”に繋がったって言ってたけど、それってソイ=ソース侵攻の事かい? 」。


ジューンがそう問いかけるとハリガネはベッドで横になったまま、天井を見上げたままゆっくりと口を開いた。


「そう、その時も“奴”は色んな関係者達を裏で根回しして、謹慎処分とか他の刑罰を何とか誤魔化して強制除隊をしのいだわけよ。その後、謹慎処分が解除された“奴”は軍に戻ってきた。ただ、既に軍からの信頼を失っていた事もあり俺を含め軍の人間ほぼ全員が“奴”を腫れ物扱い...していたのにも関わらず、あのクソは反省どころか変わらず横暴な振舞いを続けていたわけなんだけど...。ちょうどその時はソイ=ソース国との戦争が始まる時期で、佐官から士官へ落とされた“奴”はソイ=ソース国の領域まで出征する事になった」。


「ほう~、最前線で佐官クラスの兵士が指揮を執る事になったというわけか~」。


「...とは言っても、やる事は佐官とほとんど変わってないけどな~。今までも中佐の立場でありながら、どの歩兵士よりも先陣切って最前線から敵陣目掛けて突撃するんだぜ? ホント、考えられねぇよ」。


「ははっ!! さすが“恐”戦士っ!! 指揮を執るより自分で突撃した方が早いって事か!! 」。


ジューンは苦笑交じりに答えた。


「今思えば“奴”をずっと拘束しておかないで出征させた本部にも非がある。厄介払いのつもりだったのかは分からないが、結果的に“奴”を野放しにしてしまった。そして、本来の作戦はソイ=ソースへの侵攻のはずだったんだが...」。


ハリガネはそう言うと、溜息をついて話に間を置いた。


「話を察するにハリボテ=ポップ氏の起こしたあの背信行為には彼なりの理由があった...というわけだね? 」。


ジューンがそう相槌を打つと、ハリガネは頷いてそう応えた。


「懲りない“奴”は“アルマンダイト”討伐を諦めていなかった。皮肉にも軍はその機会を丸々与えてしまったんだ」。


ハリガネは変わらず天井を見つめながら、当時の事を思い出していた。


「“恐”戦士の野望には、“アルマンダイト”が立ちはだかっていた...というわけか」。


ジューンは神妙な面持ちでそう呟き、地面を見下ろした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ