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破離刃離☆勇者ハリガネⅡ~王国に仕える兵士として生きてきた戦士の俺、何故か王国の反逆者に...~  作者: 田宮 謙二


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人の話を聞かないボンド


やぁ! みんな!


ここまできて早々に登場人物不足だよ!


僕はまだ一回も今作に登場してないのに、今回で二回目の前書きを任されちゃったよ~。


実は前作でも登場人物不足で二回前書き任されてたんだけどね~。


正直、作者も頭を抱えているらしいよ~。


真面目な話、もしかしたら僕は今作出ないんじゃないかな~?



~道具屋“オードリー”の従業員、ハリガネの友人ミドル=ヘップバーン~






ユズポン軍事刑務所の単独室。


弁護士との面会も終わり、ハリガネは部屋に戻っていた。


刑務所の単独室は非常にシンプルで、やや手狭な白一色の空間内にベッドと机に椅子,便器が置かれているという留置場と大差ない質素な環境であった。


「...」。


ハリガネはベッドの上に座わり、考え事をしていた。


(う~ん、弁護士と話していた時に改めて思ったけど、デイの奴は何で俺の家に忍び込んできたんだろうな~? でも、偉大なる父なんて言ってたくらいだから、クソ親父の所持品でも盗みに忍び込んでたんかな? だけど、クソ親父の所持品なんて賠償金の差し押さえで王国にほとんど持っていかれ...)。


ハリガネがそう思っていた時、正面の壁から眩しい光を放つ魔法陣が現れた。


「いや~! 移動するの早かったね~! 元気ぃ~? 」。


そして、その魔法陣の中からジューンが姿を現した。


「アンタ、よくそんなホイホイ侵入出来るな~」。


ハリガネは突然現れたジューンに、驚いた様子を見せる事なく静かな口調でそう答えた。


「フッ...。ポンズ王国のボンドと呼んでくれていいんだぜ? 」。


「アホくさ」。


呆れ返るハリガネを余所に、ジューンは室内を見回すと自身の掌で壁に触れた。


ジューンの掌が壁に触れたその瞬間、彼の手の甲に金色に輝く小さな魔法陣が浮かび上がり室内の壁が一瞬青白く光った。


「何してんの? 」。


「ん~? 防音対策~! 周りに聞こえないように対策はしておかないとね~! 」。


ジューンはいつも通りヘラヘラと笑いながらそう答え、両腕を組みつつ壁に寄りかかった。


「ホント、やりたい放題だな。留置場といい」。


「いやぁ~、それほどでも~! 」。


「...別に褒めてねぇけど」。


「それはともかく、今日は弁護士と面会があったみたいだね~! 」。


(あ、流された。ムカつく、この若作りオヤジ)。


ハリガネが舌打ちをして不快感を露わにするも、ジューンは何処吹く風といった感じで話を続けた。


「まぁ、話はだいたい聞かせてもらったよ~ん! 」。


「聞かせてもらった...? 」。


「それで弁護士と話してた事なんだけどさ~! 」。


(あ、また流された。全然人の話聞かねぇな、この若作り激痛オッサン。どっかに隠れて聞いてやがったのか? )。


ハリガネは怪訝な面持ちでジューンを睨んだ。


「ノンスタンスのデイやホワイトと何度か鉢合わせしてたんだって? 」。


「うん、二回ね。ホワイトとは図書館の時だけだけどね」。


ハリガネはジューンに要点を突かれ、真顔で真剣にそう答えた。


「うん、聞いた聞いた~...と言っても、盗み聞きなんだけどね~。やはり君の弁護士さんも言ってたけど、君の家にデイが入ってきたのは何か意味ありげだったよね~」。


ジューンは顎鬚を撫でながらそう述べると、ハリガネは小さく溜息をつきながら首を横に振った。


「弁護士とも話してたけど、はっきりとした事は分からないよ。ただ、クソ親父と関係があったからそれ関連だったとしか考えられないよ。実質、俺は無関係だよ。面識も戦地でしかなかったわけだし」。


「でも“今日の敵は明日の友”っていうだろ? 」。


ジューンが茶化すようにそう言うと、ハリガネはばつが悪い顔を浮かべて睨み付けた。


「ふざけんな、何でテロリストと仲良くせにゃならんのだ」。


「でもさ、君も世間的にはテロリストなんだぞ? まぁ、君は拘束されている上にメディアとかの外部情報が制限されているから知らないかもしれないけどさぁ~! 王国のメディアでは君の事をお父さんのハリボテ=ポップ以来となる、凶悪な戦士出身のテロリストとして毎日ずっと報道されているんだよ~? しかも、君が今まで兵士として王国のために戦ってきたのは快楽殺人鬼としての欲求を満たすためだったとか、ある事無い事報道されちゃってるみたいだよ~! 」。


ジューンがそう言うと、ハリガネはフンッと鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。


「あ~、はいはい。悲しいもんですねぇ~。これが元王国兵士の末路ですかい。処刑される日を神妙に待ってろって事かよ~」。


「おいおい~。裁判はまだ始まっちゃいないだろ~? 」。


「あぁ、そうだな。法廷で軍への誹謗中傷を言いたい放題言えるように文章を考えとくよ」。


すっかり不貞腐れてしまったハリガネはそう吐き捨てると、ジューンは苦笑しながらやれやれといった様子で肩をすくめた。


「まぁまぁ~、そうやけになんないで...あ、そうだ! ちょっと気分転換に君にとって嬉しい情報を教えてあげるよ~! 」。


「...嬉しい情報? 」。


「うんっ! 」。


満面の笑みでジューンはハリガネに大きく頷きながらそう答えた。


「もともと、ハリガネ君は傭兵としてノンスタンスを鎮圧させるために、歩兵隊の隊長さんについていったわけじゃない? 」。


「うん...。ほぼ強引に連れて行かれたんだけど...。まぁ、成り行きでそうなったのは間違いないんだけどね」。


ハリガネがそう言葉を返すと、ジューン納得したような様子で何度か頷いた。


「まぁ~、経緯はどうであれポンズ王国防衛のために出動したわけじゃん? 」。


「まぁ...。一応ね」。


「それでね、国防のために傭兵としての役割を果した君を王国側は逮捕したじゃない? そして、王国軍はその君をこの軍事刑務所に収容し、軍法会議にかけるつもりであるのがこの先の流れになるだろう。しかし、そんな対応を取った王国軍に対して猛反対している団体があるのさ~」。


「...? 猛反対している団体?? 」。


ハリガネが眉をひそめてそう聞き返すと、ジューンは再び頷いた。


「ポンズ教の教会や修道院で活動している聖職者や従事者達が、王国各地で君の無実を主張したデモを連日行っているみたいだよ~! 」。


ジューンの話を聞くと、ハリガネはその事を鼻で笑いながら両腕を組んだ。


「へっ! どうせ、イメージアップだろ? もともと教会とか聖職業界なんて死刑反対派だし、軍や国王とは色々揉めてるしな~! いいじゃねぇかよ、堂々と王国を批判できる口実ができてさ」。


そんなハリガネの不貞腐れた発言を聞いたジューンは肩をすくめて苦笑した。


「捻くれてるな~。でもね、俺は羨ましいと思ったよぉ~? 」。


「は? 何でよ? 」。


「修道院の女の子達が涙ながらに君の無実を訴えてるところとか、羨ましいじゃ~ん! 若くて可愛い女の子達に心配されてさぁ~! 」。


「羨ましがる理由が不純過ぎるわ」。


「嬉しくないの? 」。


「...素直に嬉しい」。


ハリガネはそっぽを向いてそう答えると、ジューンは満足そうに微笑んだ。


「うんっ! うんっ! 素直でよろしい~! ...それで、話を戻すけど弁護士と話してた事はだいたい把握したよ~。裁判の流れとしてはノンスタンスとの関係を否定する形で進めていくみたいだね~。それに対して、軍は無理矢理にでも君とノンスタンスが結託している方向に持っていって、場合によってはノンスタンスの事件の全てを君に押し付けそうな気もするね~。あと、国外へ逃亡しているリーダーデイの動向も気になるしなぁ~。そういった意味では、お父さんとノンスタンスとの関係性をちょっと調べてみるかなぁ~? 」。


「オッサン、随分と仕事熱心だな。仕事なのか物好きなのか分かんないけど」。


“オッサン”呼ばわりされたジューンの顔から一瞬笑顔が消えた。


「次、“オッサン”って呼んだら、判決が下る前に俺が刑を執行する...」。


「分かった、分かった。俺が悪かったから周りに青白い魔力を浮遊させるなよ。刑務官にバレるぞ? 」。


「うん、許す! まぁ、また色々と調べて来るよ~」。


ジューンはそう言うと、描いた魔法陣の中に入っていった。


「え? また来るの? もういいよ」。


「それじゃあ、おやすみ~」。


そして、ジューンはハリガネにそう言い残して早々と魔法陣と共に姿を消していった。


(あのオッサン、自分に都合の良い事だけしか聞く耳持ってねぇんだな。マジ、うぜぇ...)。


ハリガネはばつが悪い表情を浮かべながら舌打ちしてベッドの上に横たわった。





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