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作者: 旬過愁到

次の角を左に曲がれば、道は細く、ややくだり気味になる。

呼吸を整えるため、一旦たち止まって、目を瞑った。


いつかはまた来なければならない場所に来る決意をさせてくれたのは、今日も山から土砂を流れ込ませ坂道の険しさを一層際立たす春の雨でもなければ、角を曲がったところに門番のごとく聳え立つ楠の梢を不機嫌そうにそよがす夏の風でもない、四十年前さようならも言えずに今登ってきた長い坂道を泣きながら一気に駆け降りていった青年が睨んだこの世で最も暗い秋の空でもなければ、聖誕祭の教会や町の中心部を清らかな装いに包みながらも貧しい山間部の村をまるで命を燃やし尽くしても暖のひとつ取れない陸の孤島にしてしまう冬の雪でもない。


目の前の角を左に曲がれば、道は細く、ややくだり気味になる。

そして、見限った四季のない彼の地で、四十年ぶりに父親に会える。

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