オタクな私のやっと決まった就職先は異世界で、また学園生活をおくることになってしまいました。SS版
私、霧島陽花は至極一般的な家庭に生まれ、至極一般的な生活を送ってきた。
容姿は世間一般でいう、いわゆる地味子ちゃん。
でも背丈は普通の女子よりちょこっと(?)高くて胸は並以下なので、恰好次第では男の子に勘違いされることもしばしば。
そして学校の成績は中の下。
あまり頭はよくありませんよ、ええ。
加えてオタク趣味なんてものまで持っている。
正直いってキモオタって後指さされてもしょうがないと思う。
そんな私だから大学に進学するつもりはさらさらなくて、女子高のみんなが必至の思いで受験勉強してるのを横目に、就職活動をしまくって何社も受けたのだけれど、落ちまくった。
それはもう数えきれないくらいに落ちまくった。
書類選考はうまくいくのだけど、面接になると途端にNG食らいまくった。
結構オタク入ってる性格だからか初見の人からは内向的な性格に見られがちな私は、面接官の方々からあまりよく見られなかったらしい。
リアルな男の人ってちょっと苦手だしね、私……。
面接官の男性が二次元に出てくるような男性だったらどうかと言われると、それはそれで困ってしまいそうだけれども。
そんな訳で私のパソコンのメールボックスの中身は数えきれない程のお祈りメールが山の様に積み重なっていた。
けれど奇特な会社もあったもので、こんな私を採用してくれた会社もあったのだ。
一社だけだけどね!!
そして四月一日、初出社の日。
髪型はオッケー。
パンツスーツもバッチリ着こなしている、ハズ。
これならオタクぽくもないよね。
どこからどうみても社会人ぽいよね、うん。
ただ、やっぱり胸が薄すぎてぱっと見、髪の毛がちょっと長い男の子ぽく見えるのが問題かなぁ。
けれど、今日から私はれっきとした社会人、OL1年生だ。
と意気込んで出社したのも束の間、上司の人に黒塗りの車に乗せられてあれよあれよという間によく分からない場所に連れてこられていた。
「キミの職場、異世界だから」
「い、異世界……ですか」
異世界ってラノベとかアニメでよくあるあれですか。
アハハハ……、そんな馬鹿な。
だって私がよく知っている異世界といえば西洋風のどこか牧歌的なイメージの世界なんだけど。
今いるこの場所はどちらかというとSFファンタジーにでてきそうな未来都市というか。
そんな場所なんですけれど。
これから私どうなっちゃうの?
私を待ち受けるドタバタな日々は、また別の話で。
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