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僕と日常と精霊と  作者: パトリオット
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僕と高校と始まりと

 おはようございます。今日の朝のニュースです。鳥取県の鳥取砂丘の緑化がかつてない程の勢いで進行し、なんと2日で砂丘の半分が緑化してしまいました。

 専門家はこれについて、前例もなく原因もわからない。今後原因を究明するためにしっかりと研究を行っていく必要があるだろうとNKテレビの取材に対して答えました。

「この一、ニ週間こんなニュースばかりだよな・・・・・・」

「遼介、遅刻するわよ! 早く学校に行きなさい!」

「わかっているよ」

 僕は急いで朝食を掻き込み、新しく始まる高校生活に胸を踊らせながら家を出た。そして、同じ高校に通うことになった小学校からの腐れ縁である竹川卓也と共に電車で学校に向かっていた。

「学校、もう少し駅から近かったらいいのにね――」

「となりの学校なんてもうあの学校の専用の駅みたいなのがあるからな――」

 こんなくだらないことなんかを話しながら今日から3年間を過ごす学び舎についた。

 その学び舎を前にして僕は呟いた。

「楽しい3年間になりますように」


 ところ変わって今は校長先生の話が長い入学式が終わり、教室で出席を取っているところだ。

「野川遼介君」

「はい」

 僕の名前は野川遼介、今日からこの小福高校に通うごく一般的な高校生だ。それ以上でもそれ以下でもない。

 そんな僕は教室から見えるきれいでそれでいてどっしりと構えている一本の桜を見ながら担任の先生の話を聞き流していた。その後は最初の日ということもあり、今日はホームルームをもって放課後を迎えた。

 僕が教室を出ようとした時、後ろから聞き覚えのある声の女の子に声をかけられた。

「遼介君もこの学校に入学していたんだね。よろしくね!」

「おお由花! 同じクラスだったのか。こちらこそよろしくな。」

 声をかけて来た少女の名前は村木由花といい中学校の時に仲の良かった友だちの一人で、いつも図書館にいるTHE文学少女って感じの子だ。

 この後由花とはすぐ別れ卓也と一緒に帰ろうと思っていたら、卓也は近くのカードショップを見に行くという。

 僕は仕方なく一人で帰ることにした。


 こうして一人で帰っていた訳だが途中、学校近くの雑木林に差しかかった時、突然ひんやりした空気を感じた。

「寒いな。今日は暖かいのにどうしたのかな」

 さらに、何か林の方から声が聞こえてくる。

「次はあの川の精霊を暴れさせて――」

「そうだな、その前にあの厄介な奴らを――」

「いやいや、あの川の精霊に片付けさせよう。あいつらもあれには――」

「確かにそうだな。うん? ちょっと静かに。何か気配がするぞ」

「誰だ! そこを動くなよ」

 なんか嫌な予感がしてきた。僕ってついてないんだよなあ……。と思っていると

「見つけたぞ! 今の話を聞かれて生かしておく訳にはいかないな。」

「おい、こいつ何の力も持っていないぞ」

「しかし、すべてのリスクは摘み取るべきではないのか?」

「それもそうだな。おい、お前! お前には何の罪もないがここで死んでもらおうか!」

どうやら、僕はこの歳にして人生最大の危機を迎えたようだ。

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