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 眠れなかった。

 明かりは既に落としたが、瞬きさえ煩わしい。頭は常に回転を続け、あてどもない思考が脳内を占める。

 いつみちゃんに続いてしきさんも失格。と言っても二人の要因に共通項は見いだせない。いつみちゃんに性的接触を行われた記憶はないし、それならばナナのほうが危うかったと思う。

 ああ、そうか、ナナだ。

 緊張のせいでろくに話を聞いていなかった僕が悪いが、第一の試験、会話において、ナナが下着が見えることを厭わないような発言をした時、御子野瀬さんのほうを見たことを思い出す。その後「見えてしまった」場合においては不可抗力であったし御子野瀬さんの姿もなかったが、あの時は「見せてはいけない」状況だったのだ。もちろん故意に見せれば、性的接触、に当たるからだろう。

 下心、と言えど実際にそういう行為に及ぶことは許されない。

 しかし、どうしてしきさんが僕の部屋にやってきたことがわかった?

 トランプの時、僕の部屋にみんなで押しかけたらどうなるのかと誰かが言った。全員失格になるのか、と。彼女たちは知っていた?

 監視されているとして、部屋の四隅にはもちろんそれに相当するもの、あるいはそれを覆い隠せるようなものは何もない。ではどこに仕掛け、どうやって監視しているのだろうか。僕の部屋ではなく女の子の部屋にそれがあるのだろうか?

 この試験は公的な能力を持っている。そもそもがただの高校生の人権を度外視した制度だ。カメラくらいあっても驚きはないが、いい気分になるわけもなかった。

 いつみちゃんとは会話しかしていない。ということは会話のどこかに、違反に当たるものがあったのだと考えるのが妥当だ。

 しかしそれはなんだ?

 僕は彼女と何を話した?

 僕はやはり無知だ。無知で、無力だ。

 結局何もわからないまま、また夜が明けてしまう。

 結局何もわからないまま、また試験が始まるのだ。

 残りは二人。

 最終試験だ。

 笑って、終えられるだろうか。


 僕はベッドから立ち上がる。

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