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 校庭で遊んでいた三人もいつの間にか教室に戻っていた。十ある机のうち、五つに女の子が座っている。僕はなるべく意識しないように自分の席についた。

 又野さんが教壇から声を掛ける。

「みんな揃ったね、それじゃあ次の試験の話を進めていくよ」

 又野さんはそこにいる限りは笑顔を絶やさず敵意を見せない。

 小路さんとの会話を思い起こす。僕が誰を選んだとしても、彼女は肯定的に言葉を発するのだろうと思う。慣れていて、麻痺しているのは、彼女だと思う。

「なぜ正午から試験を開始するのか、を考えてもらえればある程度予想はつくことと思うけれど、次の試験は料理です」

 料理。

 昨日の昼食後、母の手料理のことを懐かしんだ記憶はまだ新しい。

「料理……」

 と繰り返したのが誰かわからない。

 にぃなちゃんは得意と言っていたか。

「具材は?」しきさんは相変わらず飲み込みが早い。「食堂にあるもの、ですか?」

「そうとは言い切らないよ」御子野瀬さんが説明を引き継いだ。「一応用意してあるが、他と差をつけるために自分で調達してきても構わない。山菜を採ってきてもいいし、川魚を捕まえてきてもいい。タイムロスになって長嶺くんの腹が膨れる可能性も理解しての行動で、文句を言わないのであれば、こちらは干渉しない。好きなものを使うことを許可する。ただ何を使うのか、どこに取りに行くのかは一応報告してくれ。ああでも、止めたりはしないから」

「長嶺さんのお腹の具合、ということは、同時進行で始めて、でき次第提供する、ということですか?」

「いや。誤解を招く言い方だったな。調理及び審査、つまり食事は、一人につき一時間を目安に、順番を決めて行う。ただ後半に試験を行う者は、その可能性も視野に入れて、と言うのが正しいだろう」また、と言って御子野瀬さんは続ける。「結果発表については全員が同席した上で行う。それまでは誰が何を作ったのかはわからない」

「品目が被ることもありうるんですね?」いちかちゃんが質問すると、彼は頷いた。「なるほど」

「順番はくじで決める」そう言って五本の棒が入った箱を手にした。「相談してもいいし、早い者勝ちで選んでもいい。そこは任せるが、あとになって文句はなしだ」

「なんだか二度手間だから早い者勝ちにしよう」ナナが言った。「あの時計の秒針が次にてっぺんに行ったら、好きなのを抜く、ってことでどう?」

 今、半分を過ぎたあたりだった。

「じゃあそれで」いちかちゃんが席を離れ箱に近付く。「みんなも。時間になったら、せーの、で好きなものを引こう」

 そして慌ただしく箱の前に並び立つ。

 秒針が頂点を過ぎる。

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