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 女の子たちが入ってきた。

 マネキンは全てに赤いローブが掛けてある。出来の悪いバラエティ番組の安いセットのようだった。

 僕の表情に結果が現れぬよう、彼女たちを呼ぶ前に、目隠しをした状態で、マネキンたちはアトランダムに並び替えられている。改めて対面した時には、彼らの顔には御子野瀬さんの手により番号が書かれており、女の子たちには又野さんからそれぞれに該当する札が配られたらしかった。

 女の子たちは番号を確認しながら自分のコーディネートを着ているらしいマネキンの前に恐る恐るといった足取りで向かい、対峙する。

「心の準備ができたら勝手にローブを剥いでくれて構わない。何時間待ったって構わないよ。まあでも後になればなるほど、緊張は高まると思うけれど」

 御子野瀬さんは静かにこぼした。

 又野さんの視線が痛い。

 女の子たちの息遣いは荒く、僕は胃がキリキリと痛み、とても昼食の気分ではなくなっていた。


 まずローブに手を伸ばしたのは、しきさんだった。番号は五番。顔は強ばり、身体は震えている。ローブに触れるかどうか、というところで動きが止まる。

 誰も言葉を発さず、同じ受験者の女の子たちでさえ、固唾をのんでしきさんの一挙手一投足に注視していた。

 彼女が選んだものが見えない今、僕の緊張もピークだった。というと、しきさんを推しているように聞こえるかもしれないが、この先陣が誰であれ、気持ちは同じだったろうと思う。ここで先頭に立てる人間の精神力を、簡単に崩してしまえる立場に僕はいるのだ。安穏と見ていられるわけもない。

 ふう、とため息をひとつ漏らすと、しきさんは、

「開けます」

 宣言してからローブに手を掛けた。

 五番が着ていたのは、綺麗目なセットだった。

 首から下げた札には「合格」の文字。

 しきさんは安堵からひざまずいた。

 残りの面々に、緊張が走る。

 枠は、あと四つ。

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