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#50 空を駆ける

 一瞬の浮遊感。

 ゆっくりと世界が回り、青い空が目一杯に映る。空には二つの太陽があり、ああそういえばそうだったなんて暢気(のんき)な思いが浮かぶ。わずかに光で目がくらむものの、大地が()に見えた辺りでそれもなくなった。

 そのまま対岸が逆さまに見え、そして、


「――――――ぴ」


 底が見えないほどの真っ暗闇。まるで地獄に続いているかのような大地の(あぎと)

 それが目に入った瞬間――スローモーションだった世界が唐突に動き出す。

 ジェットコースターで味わう浮遊感と思われるモノが胃の辺りに来た直後、私は思わず悲鳴を上げていた。


「う――――っひゃぁぁああああああああああああ!?」


 物理エンジン怖い、なんて考える暇もなく。

 全身に風が叩きつけてくる。脊髄に直で液体窒素を注入されたかのような悪寒が背筋を突き抜けた。ちなみに、この胃にダイレクトアタックかけてくる感覚を"と思われるモノ"と表現したのは、当の私が生まれてこの方ジェットコースターに乗ったことがないからである。遊園地? 留守番マスターをなめないでよ?

 ……いや、今はそれどころじゃなく!


 まずい。

 このままではサクッとトラウマることは確定だ。高所恐怖症か別の何かかは分からないが、できればこれ以上トラウマネタを増やすのは勘弁してほしい。

 もしかしたら落下速度が緩くなるなどの救済措置でもあるかもしれないけど、期待はしない。あの狂人氏と開発である。とりあえず美凪さんはガチ説教しようと心に決めた。


 さて――ならばどうする?


 ……頭が熱い。

 反射的に悲鳴を上げたり開発陣を呪ったりする自分がいる一方で、思考を全力で回している自分がいた。

 単なる幻聴か、演出の一種か、目の奥で何かが超高速で回転する音が聞こえてくる。


 ――今は地表から落ちた直後。

       "臨界点"まではあと何秒?


 ――直前にアイテムボックスを開いていた。

     "それ"を取り出すまでに何秒?


 ――頭から真っ逆さま。

  体勢を整えて"それ"を使うのに何秒?


 結論は単純で明快。

 間に合わなくともやる、だ。


 どこか、私がもう一人いるような錯覚が続いている。

 視界の端、新たなウィンドウが開いて何かメッセージが表示しているが無視。手元のウィンドウから昨夜整理した内容を思い出して"それ"を迷わず選択する。アイテムボックスから光の粒子が飛び出し、コンマも待たずに実体化したそれは、


「タワーシールド:連華の大盾!」


 一瞬だけ宙に浮いた大盾を掴み、体を丸めるようにして引き寄せる。手にある大盾は馬鹿正直に"盾"として使うつもりは欠片もない。

 イメージは蓮の花――それが水の上に浮くような光景。幾つもの花弁が連なった花が濁流の中を辿っていくような。


 もう"臨界点"はすぐそこだ。地上10階ほどの高さと言っても落ちる時間は数秒。賭けに勝つか負けるかは、刹那で決まる。


 正直、自信はない。

 だがそれでも体は動いているし、諦めの悪い"私"がこの期に及んでも最適解を探し続けている。なにより、肩に掴まっている姫翠と服の裾を噛んでいるトリアートは目を閉じておらず、しっかりと"先"を見据えているのだ。ここで私一人だけ情けないマネをする訳にはいかないという、そんな意地もあった。


「さあ……いくぞっ!」


 飛竜たちが通り過ぎているポイント――"臨界点(デッドライン)"はもう目の前。

 覚悟? もうここまでくればどうでもいい!


「3……!」


 目を見開き、タイミングを逃さないように体と意思を限界まで引き絞る。


『2……!!』


 音が消え、色が消え、今この状況で余分なモノが排除される。


『「1……!!!」』


 そして――



『「いっっけぇぇぇぇええええええええ!!!!!!」』



 そして、私たちは風に乗った。



***



 駆ける。


 駆ける。


 駆けていく。


 勢いは正しく風の如く。

 想像よりも速く、しかし軽やかに。


 "前"を飛んでいた竜すら追い越して。

 大地の裂け目の中を、上でも下でもなく、ただ"前"に駆け抜けていく。


 その事実をようやく認識して、


「……で、できたぁぁぁああ!」

『よしゃー!』


 絶叫というか、ため込んでいた息を思いっきり吐きだした。仮想現実なのに汗がぶわっと全身に広がる感覚があり、背筋が更に冷える。寿命が減った気がするが、多分気のせいじゃなさそうだ、

 肩の上で姫翠がガッツポーズをしていて、できることなら私もしたいが――余裕がない。


 そう、まっことに残念ながら余裕がない。

 なぜなら、


「まだ状況は継続中だからね……!」


 コレ(・・)は人生初の経験だが、率直に言って難易度が高すぎる。高速で過ぎ去っていく風景は断崖絶壁という壁で、操作を誤れば激突 AND 落下というコンボなのだ。体勢を崩さぬように必死で全身のバランスを取り続け、足から腰、背に腕と姿勢制御に余念がない。

 不安はあるけども、それでも下に向くことはせずに。今は前を向いて、足裏の"盾"を全身を使って操って風に乗る。


「まったく……! "空中サーフィン"とか夢ありすぎだよ狂人氏!」


 ここに来て目にした、数多のヒント。

 それを形にした――というかぶっつけ本番で実行したのがこれ(・・)だ。


 ――風乗り。


 波乗りならぬ、風に乗って空を飛ぶというロマン溢れすぎた技。

 大盾をサーフボードに見立て、私たちはその上に立って風に乗っていた。

 場所の影響か、風の道はほぼ直線なので、誤らないように盾を滑らせる。流れに任せて、駆け抜ける。


 風自体は真後ろから吹き付けてきていて、どのような原理なのかはさっぱりだが、その流れに沿って進んでいく。現実の物理運動ではどう考えてもありえないのだけど、いや、現実ではないからこそ体験できる現象だ。


 "道"の幅は一般的な車が通る道路と同じぐらい。足元ではなく先に視線をやり、曲がるには全身の体重移動で行う。体重を前に傾ければ加速し、後ろに倒せば"若干"減速する。

 なんだろう、やってることはサーフィンっぽいのだけど、どちらかと言えば自転車で勢いよく坂道を下っている時の感覚に近い気がする。あ、もしかするとバイクで高速道路を走って……いや、峠を攻めている時のが一番似ているのでは?

 慣れればアクロバティックなこともできそうだけど、緊張感が半端ないのだけはどーにかならないものか。


 まあ、そもそもサーフィンもスケートボードも無論バイクも経験はないが、それでも何とかなっているのはシステムの補助が入っているからに違いない。できればその優しさをもっと発揮してほしいと思うのだけど、無理なのだろうねー……。


『あははははは! びっぐうぇーぃぶ!』

「や、それはちょっと違う気が」


 自身の属性が"風"だからか、いつになく姫翠のテンションだだ上がりである。

 トリアートは……いるね、思いっきり風に振り回されているけど、何気に楽しんでいる雰囲気が伝わってくるので大丈夫だろう。


 そんな姫翠たちとは違って私は緊張で精神的にかなりキている自覚があるが、唯一の救いはウィンドウに表示されている情報が凄い勢いで更新されていることだ。

 そのウィンドウに書かれている情報とは、



■スキル

 ・軽業 Lv.5 up!

 ・風見 Lv.5 up!

 ・集中 Lv.12 up!



「……サーフィンって軽業扱いなんだ」


 表示されているのは所持しているスキルのレベルアップを告げるメッセージだ。 

 どうやら今の状況に対応したスキルの経験値ないし熟練度が入っているのだが、そのレベルアップ速度が半端ない。数分も経っていないのにスキル取得からここまで一気に上がったのである。


 軽業はそのままだけど……風見、なるほどコレがあるおかげで風の流れが見えている訳だ。

 落ちていたまさにその時に取得していたこのスキルにより姫翠の言う"風"が見えてきたのだが、それにより今この裂け目の中は雰囲気がガラリと変わっていた。


 渓流だ。

 それも激流である。


 風は大きく波打ち、壁にぶつかって飛沫を散らす。

 確かに大きなカーブなどはない。だが、真下から突き上げられたかのように跳ねる(・・・)ので油断ができなかった。


 時折、跳ねた竜が風の中に飛び込み、また同じ勢いで飛び出してくると風が乱れるので大変だ。

 お供のお二人は絶好調なんだがね!


 今もまだスキルのレベルは上がっている。

 ただ、気になるのはスキルではなく別にあった。



■種族特性

 ・思考拡張 Lv.1



 ……なんだこれ?


 視覚拡張、わかる。

 機能拡張、これもわかる。


 思考拡張……え、何が広がったの?


 これはおそらく、落ちている時にあった妙な体験のことだろう。頭、正確には脳が過熱して、"私"がもう一人いるかのように混在していた、あの不可思議な感覚。

 ふと、以前に聞いた言葉を思い出す。レア種族――特にランダムでしか出ないような種族は狂人氏が残した種族だと。


「となると……当然、この種族特性を考えて突っ込んだのは狂人氏ってことだよね」


 企画担当が不安すぎる。ゲームとして出されている以上は大丈夫だと思うけど、チェックと追加・改修を行ったのはあの開発、と。

 これ、だめな要素しか見当たらない気がするのですがねー……。使って大丈夫なのかと疑問が来るのは、ある意味信頼しているからなのである。


 推理系や頭脳バトル系の主人公みたいに、一瞬どころか時を遡るレベルで思考して逆転とかできるのであれば面白そうなんだけど。うん、間違いなく代償というか消費が激しそ――なんでMPが1割しか残ってないんですかねオイ。

 一瞬サーフィンしてるからかと思ったけど、そっちは減るとしてもMPよりHP消費だろうし、そもそも今現在はどっちも減少はしていない。


 いや、恐らく鷹に蹴り飛ばされた影響だろう若干HPが減っていたけど、それも徐々に回復していて、そろそろ全快しそうだ。対してMPは回復し始めていて1割である。

 たった数秒もない中で、ほぼ全損消費。

 できることは、言ってしまえばただ単に"考える事"。


 ……ひどくない?


 特に身体能力が向上するとかはなく、ただほんの少し考え事をするだけでこれ(全消費)はコスパが悪すぎないだろうか。

 スキルレベルが上がれば何かあるのかもしれないけど……うん、一度美凪さんに相談だけしておこう。


『まえっ! そろそろだよ!』


 ハッとしてウィンドウから視線を外し、前を見る。

 かなりの速度が出ている分、気が付けばあっという間に裂け目の端まで辿り着いていた。終端に着けば、落ちるというか蹴り落される前に見たように――


 内心の焦りが増すが、どうしようもない。

 確かに、高速で突っ走る制御困難な空中サーフィンには恐怖感があった。

 しかし同時に、心の中、誤魔化しきれないほどの高揚感があることも、間違いない。自棄になっているとも言えるだろうけど、開き直った人間は無駄に強いのだ。ちなみに姉は開き直るというか、むしろ常時抜刀状態とかそんなレベルだから論外である。


 兎にも角にも、この先で起こり得ることはテンション的にも問題ない。

 気分やら勢い(物理)が乗っているのはいいことなんだろうけど、看過できない事が一つあって、


「そもそもの目的からは全速力で離れて行ってる気がしなくもないんだけど……!」


 当初は古道沿いに歩いて来ていて、裂け目があったので対岸にどうやって渡ろうかと考えていたのが根本だ。

 それが渡るどころか落っこちた挙句、行先不明の風の波に乗って爆走中である。この裂け目が竜の巣である以上はぐるっと回って帰ってこれるのだろうけど、そう簡単にいかないに違いない。最善は元の場所に戻ってきて、かつ向こうに渡れること。ただ、どう考えても難しそうなので、最悪はあの塔に近づけさえすればいいとするしかなさそうだ。


「あーもうっ、毎度ながら行き当たりばったりにもほどがある!」

『そんなときこそ、そくどあげてこー!』

「これ以上トバせと!?」


 さっきから覚悟を決めてばかりな気がしなくもない。

 と、そんなことをやっている間にも限界だ。ここまで来たら後の祭り、は少し違うが賽は投げられた。マスドライバー的に。

 止まれないのであれば突っ走れるところまでひた走るしか他はない。……道を間違えたら奈落の底か高高度からの墜落かというのは極端すぎる気がしなくもないが。


 幸いコツ(・・)はここまで来るので分かった。だすれば、やることは一つだ。

 姿勢を整え前を見て、腰を下げて右手で盾を掴む。もう片方の手では姫翠とトリアートを確保した。


「本日二回目、On your mark!」


 思考を落ち着かせて大きく息を吸い、近くに竜が並走していないことを確認する。


『Ready!』


 後はどこまでも――前進あるのみ!


『「Go!!」』


 掛け声とともに、思いっきり盾を引いた。

 今度は下から上へ。奈落から、雲の上へ。


 先に竜が飛んでいくのを見れていて本当に良かったと思う。もし予備知識なしであったら、間違いなく失敗していただろう。なにせ、駆け上がるとか舞い上がるとか、そんな生易しいものではなかった。


 打ちあがる、だ。


「ぐぅ!?」

『うにゃぁ!?』


 ほぼ地面と垂直になっているのに落ちないというのは凄い現象なんだけど……Gが半端ない!

 盾と腕の中の二人を離さないように、かつ姿勢を崩さないよう注力する。というか盾を縦にして乗りつつ掴んでいるという妙な状況なのだけれど、やったのが霊体系の種族だとか、そもそも手が肉球だとかで取っ手を握れない種族だっららどうするのかね、あの開発は。

 ついで、地味に変なところでゲームらしくATKとかDEXで判定ありそうなのは気になっていた。しかし、それはなんとかなっているようで、こんな時ばかりは基礎ステータスが高かった機人に感謝である。


 痛いほど耳鳴りがする勢いで高度を上げていく。

 既に間近に雲が見えており、これは下は見ない方がよさそうだ。


「……いや、これはちょっとまずいかな」


 頭に響く耳鳴りが止まない。

 ゲームらしく痛みはそれほどでもないとはいえ、これがずっと続くとなると集中力的な意味合いで正直厳しい。ふと思ったが、このゲームは高山病とかあるのだろうか? なんだかこのままだとバッドステータスを喰らいそうな気がして仕方がない。 


 ――と、思ったら一瞬で耳鳴りがピタリと止まった。それと同時、すぐ傍にウィンドウが一枚出現。できれば概要だけでも確認したいけど……今は無理だね。今度は聴覚系のスキル、いや種族特性でも会得したのだろうか? いや、そもそもこの耳鳴りは聴覚あんまり関係ないような?

 気になるところはあるけど、しかし今はステータスを詳細に見てる余裕が無いから後回しにするしかない。視線を切ると自動で閉じてくれるところは有り難いところ。


「お? だんだん勢いが落ち着いてきたかな」

『もうだいじょーぶ?』


 ひょい、と腕の中から出た姫翠がまた肩に戻る。

 本当にいつの間にか、だ。

 あれだけ強く圧し掛かってきていたGが小さくなっていた。強く掴んでいた盾を離しても問題ないレベルにまで、速度も角度も緩やかになってきている。すっさまじい速度で跳ね上げられた分、時間はそれほど掛からなかったようだ。


「よかった……あの速度がずっと続くの洒落になってないからなぁ」

『おもしろかったー』


 この子は豪胆というか何というか……。

 周囲を見渡せば、いつの間にか分厚い雲に囲まれた空域の中にいた。風が勢いよく流れているので、道の先が雲に隠れているなんてことはなく。むしろ雲が風で削れて道が分かりやすい。


 行く先には空の色が見え、そろそろ雲を抜ける――いや、抜けた。

 その先に見えたのは――


「わぁ……!」

『おぉー!』


 どこまでも、大きく、広く。


 まず目に入ったのは当然ながら空だ。

 しかし、その空は私が今までで目にしたことのある"空"とは一線を画していた。


 蒼穹。

 ずっと、ずっと、その先まで。


 すべてを包み込むような、果てまで続くグラデーションがかかった碧。わずかに丸みを帯びて見える地平線。

 雲や大気によって天光が反射し、まるで万華鏡(カレイドスコープ)にように空が煌いている。更にそれが風によって流動するため、まるで光の河が幾つも流れているように見えた。


 魅入られる、とはまさに事の事だろう。


「なんて、広い――」


 地上から見える空も、今見ている空も、どちらも同じはずなのに。

 いや、もっと言うのであれば、現実の空も等しく"広い"はずなのに。


 地上よりも透き通った空気が体を通り抜けていく。

 私が通っている道とは別の道を使って、銀翼の竜が踊るように飛んでいった。見た目は中々鋭い外観をしているけど襲い掛かってくるような気配はなく、何とも自由気ままに飛んでいる。


 谷や削れた丘で自然の紋様を描く渓谷が眼下にあり、傍には広大な緑の大地。

 森の中には、今私がいる高度よりも大きい大樹も直立していた。

 今も、あそこで多くのプレイヤーが登頂を目指して走り回っているのだろう。向こうからこちらは見えていたりするのだろうか?


 更にその向こうには、空とは別の碧――海があった。あの小さな点に見える影は船か。エリアボス接近警報のウィンドウがちょっと邪魔だったが、それが帆船であることは分かった。

 あちらに見えるのは砂漠だろうか? 何やらピラミッドの様なものまである。


 そして大樹よりも更に巨大な山々と、まるで星に突き刺さっているようにも見える黒の塔。


 そのような光景が、目に見える範囲以上に、どこまでも。

 なんて、雄大な世界――


「…………」

『…………』

「……………おぅ?」

『……………ふぇ?』


 ………ちょっと待ってほしい。というかマテ。

 今、なんだか妙な、すごく妙なのが間に挟まなかっただろうか。

 己が見た光景を今一度思い出していく。

 空、竜、森、大樹、ええとそれから海を見て、


「……とりあえず、絶対に美凪さんは泣かしてくれよう」


 言った瞬間だ。

 私の真後ろ、分厚く覆っていた雲――それが内側から爆散した。

 それと同時に視界が真っ赤に染まり、耳にはアラートが鳴り響く。映る視界の上下には、警告色のテロップが明滅していた。


《Caution! Caution!》


 ……こんなの初めて見たんだけど。

 この演出はシステム的なものなのか、機人の特性なのかどっちだろうか。

 ウィンドウも似たように警告が表示されているが、変に大人しめなので後者な気がしなくもない。というか警報出すのはいいけど、逃げられない距離まで来てたら半分嫌がらせじゃない?


 そんなことを考えている間にも、圧倒的な存在感が雲の中から姿を現す。

 大気を裂き、見るもの全てに威圧を与えるその姿は、


「六枚翼の――また竜か!」




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