【公式】 AlmeCatolica Online 紹介PV Part.XX
――そこは、光に満ちていた。
その地の空には月があり。
その地の下には星がある。
まさに星の海と表現するのに相応しい。
地の底でありながら、その街には数え切れないほどの光が舞い踊っていた。
――それは、正に御伽噺を形にしたような光景だった。
小さくとも確かにそこにある輝きが、摩訶不思議な市街に明かりを灯すように乱舞する。
その海に沈む、幻想を体現する街は水晶で形作られており、それもまた淡く静に輝いていた。
夜天を覆う蓋の隙間より、街に月光が降り注ぐ。
人が生活するため場所でありながらその姿が見えない為、幽世を思わせる冷たい美しさがあった。
しかし。
しかしその冷たさは、街に響くその音に包み込まれて消えていく。
――音色だ。鐘の音。歌声。それと、歌に合わせて奏でられる様々な楽器の音。
鐘の音は静かに、安らかに。
眠る者に、休み得る者達に祝福を、と。
歌は優しく、それでいて力強く。
歩む者に、進み行く彼らに幸福を、と。
多種多様な楽器の音達は楽しく、前を向くような。
手を取り合うように、支えあうように。
――鐘が鳴る。その役目を果たし、眠りについた者の為に。
その鐘は願いだ。
善人であれ、悪人であれ、そのどちらでなくとも。
何かを夢見たあなたたちに、救いがありますようにと。
子守歌か、鎮魂歌か。
あるいは、その両方か。
眠る者の為に鐘は鳴る。
――歌が響く。心から、その詩の意を祈って。
それは尊く、儚い祈りだ。
詩の言の葉は、この世界、すべての人が幸福でありますようにという祈り。
それは到底届かぬ夢である。
それでも。
この歌が続く間だけでも幸よあれ、と。
生きとし生けるものの為に、歌は響く。
――音が躍る。音が舞う。音楽、まさにそれを表現するが如く。
多種多様な楽器の音色。
本来であれば合わせることが難しいそれを。
この音を響かせる彼ら彼女らは苦も無くこなす。
それを成せる理由は単純で、当然だ。
それを成せるよう、相応の努力をしているからである。
そして、それを心から楽しんでいるからである。
加えて彼ら彼女らは理解している。主役は己ではないことを。
時折歌より前に出るような音を奏でるが、それは一歩先に出て手を引くための音だ。
優しい歌に沿う様に、背を押すように。
――音は、歌は響く。幻想の街より外へ。どこまでも彼方へと。
音は幻想の街の外れ、死者が眠る場所だ。
死者の眠る地で、彼らへの安らぎを願って造られた鐘が鳴っている。
そして、その鐘の前で身を起こすのは"竜"だ。
その身が水晶で形作られた、この街を象徴するような竜である。
御伽噺から飛び出してきたような、儚ささえ感じるその竜は静かに佇んでいる。
その視線の先。
歌を奉ずるのは一人の巫女。
一人の少女。
白く細い手足をすっと伸ばして身を回す。
鐘に合わせるように体を揺らし、舞う様に。
透き通る蒼銀の髪が靡き、ひらりひらりと白と紫紺の布地が羽根のように翻る。
まるで人形のような少女だ。
どこか妖しささえ感じる美しい姿で、されどその柔らかな唇からは切なる祈りが紡がれる。
しかし感情の込められたその歌は、人形では到底出せぬものだ。
更に、その肩には小さな翡翠の妖精が共に歌っており、お互いに心通わせて笑みで歌っている。
それは心持たぬ"物"では有り得ない姿である。
人形のようでありながら"人"として祈る彼女は、確かにこの幻想の街の巫女として相応しかった。
――少女は一人ではなく。離れていても、傍にいるかのように。
その彼女の後ろでは、大勢の支える者達がいる。
巫女の少女の後ろ、そこには遠い場所の光景が映し出されていた。
そこに映る大勢の人影は、皆相棒とも呼べる楽器を抱え、音を奏でる。
性別も。
年齢も。
種族も。
楽器の種類さえ。
むしろ似たようなところがない彼ら彼女らだが、共通していることが一つ。
それは皆が、笑みを浮かべていることだ。
楽しそうに、面白そうに。
遠く離れた一人の少女の力となるため。
音を合わせ、心を合わせ、己の半身に心を込める。
ああ、つまりは。
これこそ、「謳歌」すると言うのだ。
――光が舞う。天に昇る。そしてそれが形となる。
街に浮遊していた小さな光球は数を増やしながら空へと舞い上がる。
その光は集約し、収束し、何かに導かれるかのように螺旋を描く。
生者と死者。
幸福と安寧。
祈りと願い。
それは光となって。
舞う残光は消えることなく帯として一本に束ねられていく。
途中、また光は幾重にも分岐し、何千何万という道となる。
そして。
そして願いと祈りは形となり、完成する。
半ば地の底に隠れるようにあった街の真上。
そこに現れたのは一本の"大樹"。
雲までは届かぬが、されどそこらの山よりは遥かに高い。
光の帯で形作られた、水晶と同じ紫紺の色をした輝く樹だ。
ここに。
遥か数百年の時を経て。
"大光樹カルネージェア"がその姿を現した。
これが、これこそが。
この幻想的で荒唐無稽な世界こそが。
一人の人間が夢見た世界の一片である。
> AlmeCatolica 紹介PV Part.XX
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> カメラ設置担当:開発部 消耗品担当 コムグレース・サレンド
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> 映像編集担当:イベントサポート担当GM マッソウ武田
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> ポエム担当:システムサポート担当GM 美凪
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> (……以下、スタッフロール)
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> 協力:レイドクエストに参加のプレイヤー様
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> 件名:レイドクエストが達成されました。
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> 【廃都クリアカラネラ】で発生したレイドクエストが達成されました。
> プレイヤー"祈り捧げる歌巫女"および参加したプレイヤーには報酬がアイテムボックスへ送られます。
> 件名:新ダンジョン解放
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> 【廃都クリアカラネラ】で発生したレイドクエストが達成されたことにより【大光樹カルネージェア】が解放されました。
> 期間限定、高難易度ダンジョンとなります。
> 【大光樹カルネージェア】の詳細情報は公式ホームページを参照ください。
> 今後ギルドに関連クエストが発生します。
> スキル:祈奏術の効果により、"ダンジョン発生期間の延長"および"内部Mobの弱体化"が発生しています。
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「み な ぎ さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」