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四話 やって来た光

今月2つ目

「んー」

俺はなんかモヤモヤした気分で目を覚ました。嫌な夢をみていた気がするが全く思い出せない。

時刻は午前5時。そろそろ海の家で使う食品が届く起きないといけない時間だ。

一回に降りると置き手紙と一緒にラップに包まれた朝ごはんがおいてあった。

『千歳へ

朝からご苦労さん。年寄りにいつもと違った時間に起きるのはちときつい。朝御飯は作っておいたので勝手に温めて食べてください。祖母』

…さて今日も一日頑張りますか。


「おはようございます!みなと商店です」

海の家で開店前に掃除をしていたところ食品が届いた。

「あっ、ありがとうございますこっちにお願いします」

食品を店の中まで運んでもらったあとみなと商店の人が話しかけてきた。

「きみは磯辺のおじいちやんのお孫さんかな」

「はい。体調を崩している祖父の代わりに店番しています」

そう答えると彼はえらいねといってあとおじいちゃんにお大事にと言伝を頼まれた。

頭におかれた手は高校生の俺には少し気恥ずかしかったが嫌な気はしなかった。


みなと商店のおじちゃんが帰ってすぐにお手伝いのおばちゃんたちがきた。

「千歳くんおはよう」

「今日もよろしくね。千歳くんおはよう」

「はーい。今日もお願いします」

日曜日ということもあるのか昨日の2倍ぐらいの人がきて大忙しだった。そんな中一番忙しくなる昼頃、奴が来た。

「チー君!餃子3つー」

「ハイよー餃子みっ…ってうちにそんなメニューはねー!!」

まあこの流れでわかった人も多くいるだろうが。そうユキが来たのだった。

「にゃはははチー君頑張ってるねーてつだおっか?」

まあ猫の手も借りたい状況だったのでユキの申し出は素直にありがたかった。

お客さんの引いた午後三時ごろおばちゃんたちの気遣いで仕事を抜けさせてもらいユキと二人で砂浜へ出ていた。

「ユキ。店の件は助かったけどどうしてここに?」

そうたずねるといたずらっ子のように純粋な笑顔でこういった。

大好きな人に会いに来たんだよと。

自分の気持ちをまっすぐに伝えられるこいつはやっぱり魅力的だ。

「荷物が少ないみたいだけどロッカーに預けてきたのか?」

「んにゃチー君のおじいちゃんちにおいてきたのだ」

…は?なんて…

「おい、ユキ、ユキさんやいどうやってじいちゃんち見つけたんだ。教えたわけでもないのに」

そう、ユキはここに来ること自体始めてのはずだ。

「うーんとね、トラックに乗ったおじさんに磯辺大河さんのお家はどこですか〜って聞いたら教えてくれたよー。んでね家に行ったらさがみさんが出てきてチー君の彼女でーすって言ったらいれてくれたよ」

すごい行動力だな。

「それに…」

ユキは少し視線を下げてこう続けた。

「せっかくの夏休みにチー君と離れ離れはいやだったから」

ああもう、最低だな俺って。せっかくの長期休暇を離れ離れで過ごそうなんて。一緒にここにこようの一言が言えなかった…たったそれだけなのに大切な時間を失うところだった。

「ありがとうユキ」

そう本心を伝えた。

「うん、感謝の言葉受け取ったのだ。さあ麻子さん達だけに仕事してもらうわけにはいかないから早く戻ろうなのだ」

そういやそうだったな。麻子さ…え、なんでこいつ朝山さんの名前知ってんの!?

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