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04 出会い

やっとメインヒロイン登場です。もっと早く出すつもりだったのですが………。


 …………………。

 

 『いらっしゃいませ!!ようこそ、夢占いの店 Qualiaへ!!

  ~Welcome to Qualia, practice of fortune telling shop~』


 ………電光掲示板に光る文字。無駄にハイテクだな。

 しかも英訳付き。「夢占い」なんてツールに外国人の需要があるのか。

 

 ………いや、それだけではない。

 占い屋………にしては、案外広い。しかも、結構見た目も綺麗だ。日当たりだっていい。なんと、店舗の横にそれなり広い、庭園までこしらえてる。 電光掲示板と看板が邪魔にしか思えない。マジかよ。パクの実家より豪邸じゃねえか。

 

 ………なぁ、君たちは「占い屋」と聞くと、何を連想する?

 

 俺は、そうだな…………。

 まず、路地裏に立つ、紫色のカーテンがかかったテント。

 中に入ると、そこには、これまた紫色のマントをかぶった初老の女性が。もちろん水晶玉もセットだ。

 初老の女性は水晶玉を覗き始め、「見える………見える………」と呟き、世界の終わりのような形相で、「今日はいつもと変わらず、平和な日となるでしょう」などとしょうもないことを高らかに宣言。

 

 そして料金ワンコイン。チャリーン。


 ………が、俺の中の占い屋、だ。あくまで個人的なものだが。


 だかなんということか、見たまえ。


 この「Qualia」とやらは、そんな根暗な印象など微塵も感じさせない。

 現に、この店は2つの店舗に挟まれて立地している。八百屋と、魚屋に挟まれているが、(なぜこんなシュールな位置関係が成り立ったのか、とかは俺も知らん)なんと、まったく気にならない。

 

 違和感仕事しろ………マジで。


 しかし、前に通りかかった時は、こんな優雅な印象など、俺は抱かなかった気がする。

 前、とは5、6ヶ月前ぐらい。去年の夏だ。


 …………何かあったのだろうか?


 まぁ、俺には関係ないことだ。さっさと用を済まそう。


 俺は店に入ろうとした。しかし、


俺はすぐ足を止めることになった。


 …………ピンク。


 店の横の庭園。なにか、変なものが見える。桃色の、何か。

 花か?俺は花のことなど何も知らないのだが、なんという種類だろう。

 

 ……動いているんだが。怖い。霊か?幽霊的なあれなのか?


 俺は近づいた。


 あ。


 花でも、霊でもなかった。それは、人。


 しかも少女。セータにスカート、それにマフラーを着けていた。

 俺より3、4歳ぐらい下だ。


 1月なので、ここらでは雪が積もっているのだが、

 その雪に自らを沈めるように。うつ伏せになっている。

 

 …………落雪に巻き込まれた、とかじゃないみたいだな。動いてるし。


 というか。


 その体勢だと、その………丸見えなんですけど。スカートの中。

 

 ……ピンク、か。…………じゃないっ!!お、俺とした事が………。

 よし。俺は紳士だからな。優しく、起こしてやろう(寝てるのか、これ?)


 俺が彼女の肩を叩こうとした、そのときだった。


 彼女の顔が上がった。


 ………端整な顔立ち。茶髪のロングヘアーとも相まって、清純そうなイメージを俺に抱かせた。

 数秒の間だった。俺たちは動かなかった、結果的に、双方の顔を見つめ合うことになった。

 

 そして、彼女の口が開かれる。

 

 「きっ………」

 

 き?


 

 「きゃああぁあぁあああああぁあああぁあああぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 「わっわわぁああぁぁああぁあああぁあああぁああぁああぁああぁぁぁぁあぁ!!!!」


 響き渡る2人の叫び。


 このあと、近所の方々から苦情が殺到したのは言うまでもない。 


 


 


 

 

 

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