03 名もない「道」で
3話になります。ミリタリー要素を期待していた方、すいません。もう少し先になりそうです。今回はほぼ勢いで書いたので、文章として至らなかった所もあるかもしれません。「ここ、おかしいんじゃない?」そう思われた方は、どうぞ作者にご指摘を。なお、文中の「厨二病」像は作者の個人的なものです。飛ばしてもらってかまいません。前書きから乱文、長文で失礼しました。それでは。
……寒い。
公園でガキ共がピーピー言ってる。その元気を売ってくれないものか。300円までなら出そう。
………ああ、諸君、ごきげんよう。篠川祐だ。
早々に申し訳ないが、ここで俺の話を聞いてもらおう。
君たちに大事なことを話し忘れていた。
今は冬だ。
しかも1月。何日か前にはハッピーニューイヤーだった訳である。
そしてここは、場所による寒暑が激しい日本列島の中でも北に位置する都市。
何処?何県?とかは聞くなよ。公の場で自分の所在地を教えるなど、俺には愚の骨頂にしか思えない。
まずこれが1つ。
で、ガキ共がピーピーのくだりで分かった人もいるだろうが、俺は今、外を歩いている。
だが、寒い。もっと厚着をしてくればよかった。こんな寒いとは思わなかった。
故に、今俺は子猫のように身を縮めている訳だが、前回の土下座にしろ、適切な環境で優雅に高説(高説でもないが)をふるいたいものだ。ちなみにパクは、冬休み。お留守番だ。俺が玄関で靴を用意していると、怪訝な顔をしてきたもんだから、「冬の寒気を浴びながら、思考を巡らせてくる」と言ってやったところ、「お前が外にでるの?ぷっ」と、遠慮なく笑われた。畜生。
これが2つ目。
で、ここからが、最も重要だ。ここが俺の伝えるべき真実である。
君らは………いや、多数を一括に考えるのは良くない。
「君」は、まさか、俺を、所謂、あれだ。
「厨二病」だとかいう種類の人間だと思っていないか?
もしそうならば、断固として否定させてもらおう。何処情報かは知らんが。
俺はいたって普通だ。邪気眼だって開眼してないぞ。
それに、あの………あれ……なんつったっけ、あの指の所だけくりぬかれてるグローブ…………あれだってしたことないし、眼帯をつけたこともない。洋楽より邦楽の方が好きだし、カルト的なものを崇拝したこともない。学校の中にテロリストが入ってきて、そいつらを俺が蹴散らして一躍大スター………なんて妄想をしたことも……え?もういい?長い?
………そうか。
失礼。分かってくれればそれで結構。
上の乱文は飛ばしてもかまわない。というか飛ばせ。(今言っても遅いかもしれないが)
……これが3つ目だ。聞かなかったことにしてくれ。マジで。
で、最後。2つ目の内容に追加してくれ。
俺がなぜ外を歩いているか、だ。(「お前が外出るの?プッ」とかいう失礼な輩はスルーだ)
諸君らは覚えているだろうか。俺の視点から考えると、今日の朝のことになる。
俺は、「悪夢」を見た。
それで、その後、あることを思い出した。
その後、とは、パクが阿鼻叫喚な悲鳴をあげ、部屋を退散した後だ。詳しくは第2話を見て欲しい。
パクの家から、2kmくらいだろうか、離れた所に、奇妙な店が立っている。
「夢占い屋」。
呼んで字の如く、である。
少し抵抗があったが、行動を起こさないよりはマシだ。
………朝、俺はあの夢を「誰か」の「意図」だと考えた。
ならば、あの悪夢には、意味があるはずだ。それを調べなければならない。
ネットでも調べられるが、断片的な情報を漁るより、近くに専門家がいるなら直接相談にのってもらう方が賢いだろう。俺はニー………フリータだが、ネットには頼りたくないのだ。やはり足を使うべきだよ。
それにしても。
「夢占い」ときたか。「占い」ならまだしも………、経営は成り立つのだろうか。
占い師はどんな人だろう。怪しい壺でも買わされそうにならないように気をつけたい。
………そろそろ、か。
ほら、見えてきた。いっちょまえに、看板まで立っている。
紫の下地に白字で、
「夢占いの店 Qualia」。
………たまらなく胡散臭いんだがどうしよう。
あぁ、寒い。