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窓の向こう
雨雲を見上げながら
両手にボールを抱えて
碧空が欲しいと呟いた
空の蛇口をしめなきゃと
返した言葉に
きゃらきゃらと笑った
やがて晴れ渡る空を
見上げながら
そのあまりの青に
胸が締め付けられた
昼下がりの夢を
どうか私にください
482
春の風が
いつの間にか
穏やかな初夏の香りを運ぶ
伸び上がる緑の草たちの
放つ香りを胸いっぱいに吸い込んで
ごろりと寝転ぶ芝生の上
穏やかに緩やかに
空気に溶けていくような
幸せな時間
483
晴れた空の青が
どこまでもすがすがしくて
大きく息を吸い込んだ
その青の清さが
我が身に行き渡るように
もやもやとした日々の
滞るすべての意味が
その青に
すべて浄化されてしまうように
ただ、大きく息を吸い込んだ
484
高らかに空高く
胸をはって響かせる
子供たちの歌声は
5月の空によく似合う
485
自分に出来ることは
本当に些細なことばかりで
それでも
できる限りをやっていく
それが
いきるということなのかもしれない。
486
お気に入りのノートに
お気に入りのペンで
大好きなものを
ひとつ、ふたつと書き連ねて
私だけの幸せノートの出来上がり
見返して微笑んで
幸せになれる
そんなひとときが
いちばんだいすき
487
どれだけ深く強く
心の底から思おうとも
言葉にしないと伝わらない
けれど
言葉にしてしまうと
伝えきれない気がして
もどかしくて苦しい
それでも
伝えればよかったと
後悔することのないように
ひとは
言葉を紡ぐのです。
488
吹き抜ける風に
ふわり
交じる甘い香り
よみがえる懐かしさ
よぎる想いのままに
振り返ればそこに
ひらりと
風に舞う
藤の花びら
489
もし貴方が泣けるのなら
こえをあげて泣けるのなら
今すぐにそのすべてを
涙にかえて
体の外に吐き出して
枯れ果てるほどに
泣きつくしたら
きっと
また前にすすめるはずだから
立ち上がれる日が
きっとくるから
490
どんよりとした気分を
えいやっと吹き飛ばして
とにかく、なにもかも
笑い飛ばしてしまえ
どんな悩みも、どんなゆううつも
笑い飛ばしてしまえば
きっと、今日も笑っていられる
だから、何もかもを
笑い飛ばして、私は
今日も元気にいきていく