45
441
遠く遠く
もう二度と会えぬ人よ
あなたの温もりが
少しずつ消えていって
思い出せなくなる日が来るのでしょうか
442
浮かぶのは後悔ばかり
涙すら浮かばずに
けれど
謝らせてもくれない貴方が
どうしても憎くて 愛しい
443
吹き抜ける風は冷たくて
けれど触れる温もりは暖かくて
溶け出す様に溢れ出す
感情が怖くて
強く強く目を閉ざす
――涙がこぼれないように
444
どうして、と
心の中で何度繰り返しても
その答えがわかるはずもなく
どうして、と
答えのない問いを繰り返し続ける
445
もし時間が戻せるのなら
あなたに伝えたい
ありがとう
大好きです
一緒に過ごせてうれしかった
と
446
空を見上げて
その深い青に
心が軋みをあげた
疲れているのだと
やっと認めることができた日
447
抱きしめた温もりは
確かにそこに存在していて
その幸せな思いに
失ったものの重さを知る
448
さみしいのか悲しいのか
悔しいのか切ないのか
わからないほどに
考えることをやめて
時が過ぎるのを待っている
449
もしできるならば
時を戻したい
できないからこそ
ひと時ひと時が大切なのだと
わかっていても切なくて苦しい
450
このままではダメだと
わかっているけれど
進むことができないのは
本当は
わかっていないからかもしれない