43
421
満面のその笑顔を
ずっと見ていたくて
だけど
その笑顔をずっと
私だけのものにしたくて
独占欲はどこからくるの
422
遠く遠く
想い出の中の人よ
今はどうしていますか
幸せであればいいと
そう思える関係であったことが
何よりも嬉しいことと思えるのです
423
淡い恋心を
抱いたこともありました
どこか憎らしく
思ったこともありました
けれど貴方は
私にとって
唯一最大の友なのだと
言葉には出来ないけれど
そう、思っているのです。
424
胸が痛むほどの
熱い熱い思いは
もう
遠い遠い昔のこと
今では揺らぐ心もなく
懐かしい思い出の中の
甘酸っぱい痛みを
ほろ苦く思いだすばかり
425
元気? と
たったそれだけの
短いメール
気が付けば
そっと
緩む口元を隠しもせず
保護をかけていた私
426
七色に咲いた
心の花を
ひとつひとつ
詰みとって
枯れ去る前に
そっと閉じ込めた
427
小さな魂の
その穢れなき輝きは
命の力そのままに
眩いほどに
明るい笑い声を上げながら
私の中に響き渡る
428
そっと紅をひいた
鮮やかなそれを
そっと唇にのせた
歪んだその紅に
醜い情念の燠火が揺れた
429
女であることを
呪うつもりはないけれど
女であったことに
幸せを覚えたこともない
ただ私であるという
それ以外の何者でもないのだから
430
白々とあける朝を
ひとり眺めることが
どれだけわびしいものか
きっと貴方には
理解できる日はこない