表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/50

42


411


焼け付くような光の中

汗で額に張り付く髪を

気にせずかけてゆく子供の

その生命力が

心強くも愛しいのです



412


見詰めているだけで

自然と頬が緩むのは

何故でしょう


愛しいと

その想いがあふれ出るように



413


ここにあるのは

命の証

ここにいるのは

絆の証


貴方を愛した

思いの証



414


博愛主義と微笑んで

私は愛を撒き散らす

好きだよ大好き愛してる

惜しむことなく次々と

多くの人に送りだす


――言葉の奥に思いを秘めて



415


遠く

遠く遠く

今はもう手の届かない人よ


いつかまた

その笑顔を見ることができるよう

今はただ祈るしかできなくて


未練と笑ってください

未だに貴方を思い切れない

この私を



416


小さく小さく呟いた

思いをこめて呟いた


月がとても綺麗だね と


貴方にひっそり呟いた

夜風に紛れて呟いた



417


目の前の光に

目がくらんで

それしか見えなくて

まっしぐらに駆け抜けた

恋に恋した若い日の思い出



418


ほんの少し

ほんの少しだけでも

視線を変えることが出来たなら


私はきっと

貴方を失わずに済んだのに


私の目には

あのひとしか見えていなかった


――遠く懐かしき日々の未練



419


たったその五文字を

声にすることが出来なくて

伝えることが出来なくて


気が付けばもう遠く遠く

貴方の影すら思いだせない



420


雑踏の中

通り過ぎたとき

ほのかに

貴方の香りがした気がして


振り返ったけれど


人波の中

貴方の姿はどこにもなかった


あの香りだけが

私と貴方を繋ぐよすがなのだと

いまさらながらに哀しくて

そっと瞼を閉じた




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ