37
361
朝
窓の外から差し込む光で
じわりと夢の淵から浮かび上がる
静かな目覚めの時
緩やかに微笑む貴方とともに
362
はらりと
ページをめくる
涼しい風にふかれて
ひとり
ハーブティをお供に過ごす夜
363
呟く文字は
いつも
心の底からの願いを
ひっそりと内包して
電脳を揺蕩う
364
どれほどの思いも
どれほどの叫びも
結局は
0と1の電子信号へと
分解されていくのです
365
綴るなら夢を綴りたい
幸せな夢を 暖かな夢を
けれど書き連ねる言葉は
それだけであることを許さず
気が付けば慟哭を含んで
伝われ伝われと
切なる思いとともに響き渡る
幸せはそこにあるのだと
知りながらも理解しきれないのは
愚かな心故でしょうか
366
間違ったことのない人なんていない
過ちのない過去なんてありえない
けれど、その過去に囚われて、
じっと蹲っていきていくのはもったいないから
だから、ほら、顔をあげて、空を見上げよう
間違いも過ちも、全てこれからの糧として
少しずつ、前に進んでいけたらいいね
367
身の回りに起こることって
実は自分で引き寄せてるんだよって
笑った貴方
穏やかに幸せを願い続ければ幸せが
不幸だと嘆き続ければ不幸が
磁石のように引き寄せられる
――もし。
貴方が欲しいとねがったら。
貴方は引き寄せられてくれるでしょうか
368
どうしていいか解らないと
ほろほろと涙を流す
どうしたらいいの、と
泣き崩れる貴方に
私が出来ることは、ただ
見守り続けることだけ。
いつか再びたちあがれるように
そばで見守り続けることだけ
369
気づいてた。
――でも、目を逸らしてた。
知っていた。
――でも、知らない振りしてた。
本当は、まっすぐに向き合えば
すぐにでも楽になれることだったのに。
自分をごまかすのは、もういや、だから
私は私に正直に、生きるのです
370
出会いは偶然だけれど
その偶然はもしかすると必然
折り重なる時間の中で
すれ違うだけでもとても低い確率なのに
こうして語り合えるという
この場所は貴重な偶然