25
241
求めるのは「答え」
正解などないと知りながらも
いつもいつも求め続けて
ひたすらに私は
文字を綴り
物語を綴るのです。
そうすることでいつか
心からの納得できるそれに
めぐり合えるのだと信じて。
242
書いて書いて書き連ね
描き出す私の世界は
どこか透明でけれど濁っていて
優しいけれど厳しい
矛盾をはらむそれは
どこまでも現実から乖離せず
私を
責めさいなみながらも
癒してくれる
それが私の物語なのです。
243
毎日毎日綴るウタは
同じようで違っていて
そのときどきの思いを
ただひたすらにリズムにのせて
届け届けと祈りながら
歌うように詠うように
さらさらと流れてゆくのです。
さらさらと通り過ぎてゆくのです。
244
ありがとうとお礼をいって
ありがとうと言葉をつげて
でも
それだけじゃ足りないほど
大きな感謝をどうやって伝えればいい?
245
薄暗い部屋の中
揺らめくろうそくの光を眺めて
そっとお香にうつした火の
ぼうと燃えるさまを
漂うあえかな香りとともに
ただ
静かにみつめていた
ただ
ひとりでみつめていた
246
ふわり漂う白檀の
その香に心ゆだねて
穏やかに
眠りに入るひと時
闇は安らぎへと変わり
柔かな香とともに私を包む
幸せな夜の香り
247
一粒の涙
堪えていたのに
ほろりと零れた
結ばれた唇と
悔しそうな顔が
とても愛しくて
頑張った貴方が
何よりも誇らしい
248
細い腕を
必死に伸ばして
私を求める
その小さな命の
暖かさを
しっかりと抱き締めて
伝わる温もりに
自らの生を知る
249
乳児の時に唄った歌を
覚えて口ずさむ君
一緒に歌うと嬉しそうに
けらけらと声をあげて笑った
伝わっていたんだね
250
元気じゃないけど病気じゃなくて
病気じゃないけど元気じゃない
健康だけど元気じゃなくて
元気だけど健康じゃない
人間ってそんなに単純じゃない