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231


眠たくて眠たくて

陽だまりの中でうとうとと

まるで猫のように丸くなって

柔かな草の感触を楽しんで

緩やかに午睡を楽しむ



232


私の意識のひとつ向こう側で

ふわふわと漂う明晰な夢を

捕まえて手繰り寄せて引き込んで

そうしてこの手に文字にして

私は物語を紡ぐのです



233


いつまでもどこまでも

一緒にいられると疑いもせず

側にいてくれる貴方が当たり前なのだと

それがどれだけ大切な存在なのか考えもせず


気がつけばひとり



234


文字を書き連ねるのはただ

書かずにはいられないからで

書かなくても生きてはいけるのだけれど

書かなければ私は歪んでゆく

気ついた時にはその歪は大きくて

元に戻ろうとする反動が激しくて

苦しくて辛くて哀しくて

だけど私は言葉を紡ぐのです。

ただ、紡ぐだけなのです。



235


乱れ舞う文字の群れを

目の前を過ぎる文字の大波を

ぼうやりと眺めながら

いつしか私は文字の洪水の中

自分の行く道を見失いたちつくす


それでもいつしか

自らの手で掴んだ文字を握り締めて

ただ

まっすぐに前に進む


それが私なのだから



236


ふうわりと漂う

味噌の香り

真っ白いご飯と

たまご焼きと


朝の食卓には

幸せがそんな形で

存在している



237


別れてどれくらいたったでしょう

今、貴方は何をしていますか

隣にはもうきっと誰かがいるのでしょうね

今、貴方は幸せですか


私は――幸せ、です。



238


小さな小さな願いです

わがままいうつもりはありません。

小さな小さな願いです

他には何にもいりません


だからどうか

小さな小さな願いが

適いますように、と


星空に祈る。



239


星空を見上げて

散らばる星を眺めて

けぶる星雲をながめて


ひとり


沸きあがる幸福感に漂う



240


ひとりじゃないんだ

ひとりのわけがないんだ

寂しいと孤独だと誰もいないと

泣き叫び喚き散らし暴れるけれど


ひとりじゃないんだ

ひとりのわけがないんだ


だって君のことが大好きな人が

少なくともひとり以上は

必ず側にいるのだから





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