23
221
夕暮れに
ふわりと漂う香り
どこか懐かしさを覚えるその
蚊取り線香のかおりに
夏が近いのだと知る
222
上手でなくっても
どこか歪であっても
その人の心からの想いの
形となったコトノハは
とても愛しいものなのです
とても暖かいものなのです
223
私にとって
ものを書くということは
まるで祈りにも似て
けれど
吐き気がするほどの
苦しさのうえに成り立っている
けれどやめられないのです。
だから、かき続けるのです。
224
紅に染まる
夕暮れの空を
三人で眺める
言葉はなく
けれど浮かぶ笑顔
幸せなひと時
225
あの山の向こうには
見知らぬ素晴らしい世界があるのだと
夢にみた幼きころ
今はひとり、山向こうへとたどり着き
幼きころの夢は破れ
けれど
大地を踏みしめる足と心が
私を支えている
生きるとはそういうことかもしれません。
226
空を仰いで
風を感じて
夕暮れの街を
二人であるいた
言葉はなく
ただ そこに
共にいられることが
幸せだった。
――遠い日の追憶
227
泣いて泣いて泣いて
枯れるほど涙を出しつくして
苦しくなるほど叫んでみたけれど
現実は 変わらなくて
ならば
笑って笑って笑って
何があっても笑い続けて
苦しくなるほど笑顔でいたらば
もしかして なにかが変わるのだろうか
228
一通のメール
久しぶりに届いたそれが
私を過去に連れ戻す
哀しかった過去のはずなのに
浮かぶのは幸せな思い出ばかり
大好きでした、と
いつかそういえる日を待っている
229
泡沫の夢と笑わば笑え
なれど我が夢は我だけのもの
誰にも与えられぬその夢は
我だけの唯一の宝なのだ
泡沫の夢と笑わば笑え
夢なきもの達の言葉など
一片の価値すらもないのだから。
230
夢無きを笑わば笑え
我が宝は夢ならず現実なれば
夢無きを笑うが如き愚挙など
瑣末も恐るるものにあらず
夢無きを笑うわば笑え
我は進む ただまっすぐなわが道を
夢ではなく目標の為に