21
201
零れた溜息の数は
きっと
貴方が私を想う証
202
気がつけば
なにも信じられなくなっていて
なにも見えなくなっていて
ひとり
誰にもわかって貰えぬと涙する
そんな愚かな人間に過ぎないのです
203
目を閉じてうずくまってしまえば
もしかすると不幸ではないかもしれないけれど
なにも見えず閉じこもってしまっているそれは
決して
幸せではありえないのだと
どうか、気づいてください。
204
紡ぎだすコトノハは
私の心を映して
ゆらゆらと
定まることなく
まるで玉響の如くに
響き続けるのです
205
何故カナリヤは唄うのか
ただひたすらに唄うのか
何故ならそれはカナリヤが
唄うことしか出来ぬから
唄うことしか知らぬから
故にひとりカナリヤは
今日もほろほろウタうのです
206
寂しくて寂しくて
気がつけばほろほろと零れる涙を
そっと
拭ってくれる小さな手の温もりが
なによりも愛しくて
207
アイシテルと
告げられる言葉を
微笑みながら聞いた
信じられないと
口にしないまま
信じたいと叫ぶ心を
押し殺したままに
208
いつから私は
言葉を信じられなくなったのでしょう
誰かの言葉を、どうして
素直に受け取れなくなったのでしょう
もしそれが、大人になるということならば
それはなんて寂しいことなのでしょうか
209
狭い狭い私の世界で
ただひたすらにひとり
寂しいと叫ぶ
そんな不毛な行為を
一体いつまで続けるのだろう
210
憐れみは要らない
同情も要らない
そう嘯きながら
貴方はどうして
そんな哀しそうな顔をするのでしょう