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寒さは
嫌い
だけど
暑いのも
嫌い
結局ただのわがままなのだけれど
152
心地よい疲労は
穏やかな眠りを連れて
153
ため息を
ひとつふたつ
零れた数だけ
思いも募る
154
私がこの手で
支えられるのは
ほんのわずかな
本当に大切なものだけだと
解っているはず、なのに
155
できること
できないこと
したいこと
するべきこと
間にあるのは
おおきな溝
156
どうしてと
くりかえしたところで
なにも現実は変わらない
だから
気がつけば諦め上手
157
ひとときの夢だと
笑ってこたえたあなたが
いとしくて
余計に募る想いを
うちで押しつぶして
友としての笑顔の仮面を
今日もまたひそりとかぶるのです
158
はるが待ち遠しいと
冬もまだはじまりかけなのに
呟く貴方
ばかだねといいながら
頬が緩むのを止められないのは
貴方のせい
159
涙は流しません
もうそれは
10年も前に
流しきってしまったのです
160
愛なんて
もういらないって
嘯いた所で
あいして
愛してと
心のうちで叫ぶ
自分までは、誤魔化せない