14
131
大切に日々紡ぐことのはを
ひとつひとつ数えては
大切にしまいこむ
いつか貴方に伝えようと
ただそれだけを想いながら
132
戯れに
色づく木の葉を
そっと拾った
秋の風に
その冷たさに
ふわり
手を離して
その木の葉の
風に舞うさまを
ぼんやりと眺めた
ただ、それだけのこと
133
昔、私は
ただひとり
闇に囚われて
どうしていいか解らず
ただひたすらに叫んでいた
今ならわかる
欲しかったのは癒しではなく
ただ、傍らにあって
その孤独を理解してくれる
心だったのだ、と。
134
てのひらに
治まるくらいが
私にとって
ちょうどいい幸せのサイズ
135
たとえば
そっとだきしめて
だいすきだよって
それだけで
ほんとうはそれだけで
じゅうぶんなのです
136
ほっとけーきは
どうしてこんなに
やさしくてあたたかく
なつかしいあじがするのだろう
137
握り締めた拳なんて
振り上げないで
そっと両手で包むから
ゆっくりとそれを解いて
一緒に笑おう
138
ほろりとこぼしたコトノハが
伝わって、変化して
また伝わって、変化して
気が付けば、また
新しく素敵な言葉になる
139
言葉になんてできないから
抱きしめた腕に
私から伝わる熱で
どうか
――心を、受け取って
140
好きなのだと伝えた所で
ありがとうと笑顔で返されるか
何をいってるの? と不思議がられるか
それが解っていて、言葉にできるほど
いい人じゃないのです。
だから、今はまだ
言葉にはせず
見守るのです。