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121


哀れとわが身を思う

その空しさと切なさを

知っていながらなおも

身を切り売りするような

哀しい時を過ごす夜



122


ただそのぬくもりを

求めただけと思うのに

わきあがる空しさは

ただ

愚かな自分への戒めと知る



123


さよならを告げた夜に

忘れたはずのその思いを


ふいに


想いだしてしまったそのとき

哀しさよりもなにより

愛しさが沸きあがる


そのちぐはぐな心を

抱きしめてひとり眠る



124


幸せであれ、と

願える立場ではないことを知りながら

けれど

幸せであるようにと

遠くから

静かに祈る


それがたとえ欺瞞であろうとも

そこにある思いは心は

真実に違いはないのだから


どうか

みなが幸せであるように


ただ、ひとり静かに祈る



125


触れ合いなだめることではじまるものを

そのあたたかな心をわすれないで

遠くはなれていると感じたとしても

決してそれは事実ではなく

貴方の心の側にそれはあるのだから

そこにあるつながりを

その暖かな絆を

どうぞわすれないでいてください


RELATIONSHIP



126


朝の

目覚めの

心地よさの

そのあまりに


きがつけば

寝坊ぎりぎり


そんな朝



127


風のその冷たさに

秋から冬への移り変わりを知り

いつしかそれだけ時が流れたと

いまさらのように思い知る


寒さがじわりと骨にしみた



128


愛とか恋とか

好きとか嫌いとか

ほんとうはそんなこと

どうでもいいものでしかない

本当にひつようなものは

すでに手のなかにあるのだから



129


夕暮れの

二層に染まる空の

そのあけの色に

じわりと胸に広がる

懐かしさと哀しさは

人の心の奥深くに

静かに眠る原始の懐古


だからきっと

ふいに涙がこぼれるのです



130

この両のてのひらを

いっぱいにひろげて

ひらひらと舞い落ちる

その幸せの欠片を

必死になって掴もうとするよりも


その掌の上に

すでにそっとのっている

小さな小さな欠片を

ぎゅっと優しく握り締めて

暖めることのほうがきっと

何よりも得がたいものだと


ひとり思う



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