11
101
早く起きて
お弁当をつくって
朝ご飯をつくって
美味しいねって笑ってくれた
それだけで最高の朝
102
秋の昼下がりには
とんでもない強さの
睡魔の魔法があると
布団の上で唸りながら
思う昼寝のあと
103
しがらみとか常識とか
理解してるけれど
その枠組のなかに
必死におさまろうとして
どうやらわたしは
自分を封じ込めていたみたい
傍若無人にはなれないけれど
解放されて自由であることを
いまは望んでみようと思う
104
入り混じる
ふた色の空
ひかりとやみと
ともにありしそれは
夕暮れの時を
静かに知らせる
105
真昼の月は
青空に
ひとり
何を思う
ほしぼしとはなれ
ほうとひかりて
106
目がさめて
寒い中窓をあけて
震えながらも笑いあって
朝の家事とご飯をたべて
たとえ季節や時代が変わっても
変わらないものはそこに或るのだと知る
107
ゆるやかに
おだやかに
ながれる時間は
愛しくて
心地よくて
何物にも変えがたい
108
ゆうぐれに
ひとりゆらりとあるきゆく
ゆくあてのないまま
ふらりふらりと
どこまでも
行く先を見つけるために
109
時にはどうしようもないくらいに
哀しくて切なくて悔しくて苦しくて
のた打ち回って叫び回って
それでもどうしようもなくって
力尽きてうずくまる
それでも、地球は回り
太陽はまたのぼる
だから、いきていく
ただそれだけのこと
110
朱にそまり
夜へと変わる
その狭間の
あたたかさと
せつなさと
かなしさをしる