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10



91


語り合って触れ合って

囁きあって微笑みあって

そんなありきたりなことが

そばにいられることが

なによりも幸せなのだと


気づいたときには

すべてすり抜けた後




92


私にとって歌うことは

呼吸するのと同じことで

それはうまい下手に関係ない

根っこに染み付いた習慣


私にとって詠うことは

まるで深呼吸のようなもので

うまく吸い込めたときには心地よい

少し今までとは違う習慣




93


甘い甘い飴玉を

からりと口内にころがして

ぶらぶらと足を揺らしながら

ただひたすらに眺める空


見上げていれば

こぼれることはないから


きっと飴が甘すぎるせい




94


走り出す文字たちを

必死で追いかけて捕まえて

手綱をとって整えて

そうしてできあがるのが

物語というものなのです




95


目が覚めて

見上げる天井


はらはらと

こぼれる涙の

理由わけも気づかず




96


ももいろの

くもの

おおきなかたまりを

かぶりついて

のみこんだらきっと幸せ




97


ゆらゆらとゆれる

ひともこころも

そしていのちも

ゆらゆらとゆれる

穏やかに同じリズムをもって




98


寒くて寒くて寒くて

気が付けば寂しくて寂しくて

はらはらほろほろと

こぼれる涙を止めるすべを持たず

ひとりじっと自分を抱きしめる




99


あたたかな

お湯に揺蕩う


その夜のひとときの

なにものにも変えがたき

至福を思う




100


静かな夜の

秋の夜の

その響く音色と

風の音に

誘われるまま

ゆるやかに眠る




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